ドワンゴは12日、2016年新卒採用における受験料制度について発表した。

内定承諾数は前年を大きく上回る

同社はインターネット上の就職活動支援サイトによる学生の大量エントリー、その結果として引き起こされる企業と学生のミスマッチングを憂慮。企業側としても大量の応募者をふるいにかけて減らすため、一部の学生に内定が集中し、受からない学生はずっと受からないという内定保有数の両極化に対して警鐘を鳴らしていた。

上記をふまえて「本当に入社したい人材」に集まってもらうため、2015年の新卒入社試験よりエントリー時の「受験料制度」を導入。応募者数は前年比で4割弱と減少したものの、内々定数(採用試験合格者)は前年並み、内定承諾数においては前年を大きく上回る125.5%という結果(エンジニア職と企画職の計)を出している。

2015年度 応募と選考の状況(前年対比)

しかし同制度については、東京労働局より受験料が「採用活動の手数料にあたらない可能性がある」等の指摘とともに、翌年度以降は実施しないよう、2014年8月7日付けにて行政指導を受けていた。同社はその内容を受け止め、一部変更した「2016年度 受験料制度」を実施するという。

2016年度 受験料制度の概要は?

2015年卒の「受験料制度」では、「ニコニコ動画」にちなんで2,525円の受験料を徴収していた。「2016年度 受験料制度」では、1次試験である書類選考までに実際にかかる費用として算定した金額(約6,000円)を同社と受験生で半分ずつ負担する形とする。プレエントリー後、選考にエントリーする際に受験料の支払いが発生する。エントリー開始は12月1日を予定している。

対象者は2015年4月1日~2016年3月31日の期間に4年制大学・短期大学・大学院・高専・専門学校を卒業・修了予定で首都圏(1都3県 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)在住の学生とし、上記エリア以外に在住の応募者には受験料の支払いは発生しない。

なお、2015年度に徴収した受験料の総額は1,656,400円となったが、当初予定していた「独立行政法人 日本学生支援機構」に対する本受験料の寄付については、行政指導を受けたことに基づいて協議した結果、中止することとなった。