財務省は22日、2014年度上半期(4~9月)の貿易統計(速報、通関ベース)を発表した。それによると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は5兆4,271億円の赤字となった。赤字は7期連続で、赤字額は比較可能な1979年以降、上半期として過去最大を記録した。

輸出額は前年同期比1.7%増の35兆8,969億円で、3期連続の増加。数量指数は同0.3%減と2期ぶりに減少した。品目別では、金属加工機械が同26.8%増、自動車が同2.6%増などとなった。

輸入額は前年同期比2.5%増の41兆3,240億円で、9期連続の増加。品目別では、液化天然ガスが同8.7%増、半導体等電子部品が同8.1%増などとなった。

2014年度上半期の貿易統計(速報)(出典:財務省Webサイト)

地域別に見ると、対米国は、輸出額が前年同期比0.1%減の6兆5,504億円、輸入額が同6.2%増の3兆7,178億円で、2兆8,326億円の黒字。黒字額は6期ぶりに減少した。

対EUは、輸出額が前年同期比8.0%増の3兆7,278億円、輸入額が同4.1%増の3兆9,918億円で、2,640億円の赤字。赤字は5期連続となる。

対アジアは、輸出額が前年同期比1.2%増の19兆5,246億円、輸入額が同3.2%増の18兆4,042億円で、1兆1,204億円の黒字。黒字は2期ぶりとなる。

対中国は、輸出額が前年同期比3.7%増の6兆6,435億円、輸入額が同2.8%増の9兆793億円で、2兆4,359億円の赤字。赤字額は8期連続で拡大した。

併せて発表した2014年9月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、貿易収支は9,583億円の赤字となった。赤字は27カ月連続で、過去最長を更新した。

輸出額は前年同月比6.9%増の6兆3,832億円で、2カ月ぶりの増加。品目別では、自動車が同7.0%増、鉄鋼が同14.0%増、船舶が同39.5%増などとなった。

輸入額は前年同月比6.2%増の7兆3,415億円で、2カ月ぶりの増加。品目別では、液化天然ガスが同21.0%増、通信機が同11.6%増、肉類が同29.4%増などとなった。

地域別に見ると、対米国は、輸出額が前年同月比4.4%増の1兆1,582億円、輸入額が同6.9%増の6,175億円で、5,407億円の黒字。黒字額は8か月ぶりに増加した。

対EUは、輸出額が前年同月比0.7%増の6,497億円、輸入額が同4.2%増の6,988億円で、491億円の赤字。赤字は21カ月連続となる。

対アジアは、輸出額が前年同月比8.1%増の3兆4,410億円、輸入額が同8.8%減の3兆4,411億円で、4,300万円の赤字。赤字は8カ月ぶりとなる。

対中国は、輸出額が前年同月比8.8%増の1兆1,544億円、輸入額が同8.3%増の1兆8,240億円で、6,696億円の赤字。赤字は31カ月連続となる。輸入品目では、iPhoneなどの通信機が同8.2%増加した。