個人でもできるデング熱対策をとることで、少しでも感染のリスクを下げよう

厚生労働省は9月12日、国内で感染者が増えているデング熱への対応マニュアルとして「デング熱国内感染事例発生時の対応・対策の手引き」を公表した。同手引き内には、家庭や個人でもできるデング熱対策も記されているので、その主な内容をまとめた。

蚊を媒介して感染するデング熱は、デングウイルスを原因とする急性の熱性感染症。蚊がデングウイルスに感染した人の血を吸い、体内で増殖させた後に別の人間を吸血することで、デング熱の感染者が増えていく。感染すると発熱や頭痛、筋肉痛、皮膚の発疹などの症状を伴う。

厚生労働省は、国内で感染者が100人を超えたことなどを受け、9月12日付で「デング熱国内感染事例発生時の対応・対策の手引き 」を公表。デング熱の感染を防ぐため、各自治体や国民が取った方がよい対応策がまとめられているので、個人レベルでも簡単にできる防御策を紹介する。

日中は民家の庭や公園になるべく近寄らない

今回の一連の騒動において、東京都・代々木公園ではヒトスジシマカがデングウイルスを保有していたことが、これまでに確認されている。同手引きには、ヒトスジシマカの成虫は「民家の庭、公園、墓地などに潜み、朝方から夕方まで吸血する」とあり、その活動範囲は50~100mほどとされている。そのため、日中はこれらの場所にむやみに近寄らない方が安全だろう。

無用な水をためておかない

ヒトスジシマカの幼虫は、植木鉢やプランターの水の受け皿、庭先に置かれたバケツ、古タイヤなど、比較的小さい容器に発生するとされている。幼虫発生源をなくすため、同手引きは「1週間に1度は、住宅周辺に散乱している雨水がたまった容器を逆さにして水を無くすこと」「人工容器などに水がたまらないよう整頓すること」が大切と指摘している。

服の上からの刺咬にも注意する

ヒトスジシマカに刺されないよう、長袖シャツや長ズボンを着用することは効果的である。ただ、繊維が薄い場合は服の上からでも刺されることがあり、足首や手の甲などの小さな露出面からでも蚊に吸血されないよう注意すべきだ。

忌避剤はむらなく・こまめに塗る

蚊などを寄せ付けないようにする忌避剤だが、体に直接塗らないといけないタイプのものは、「吸血昆虫が非常に近くまで寄らないと効果を発揮しないことから、皮膚の露出部にむらなく塗布する必要がある」とのこと。さらに、忌避剤の効果は雨や汗、蒸発などによって失われやすくなるため、「屋外で長時間活動する際は、定期的に再塗布することが望ましい」としている。

殺虫剤は風上からエリアを包み込むように散布

屋外の植物の茂みは、ヒトスジシマカの成虫の潜伏場所になりやすい。そのため、殺虫剤の散布が有効手段となる。同手引きは「微風で風向きが一定した時を狙い、風上から防除エリアを包括するようにして薬剤を散布すること」が好ましいとしている。

また、ヒトスジシマカの活動期間は5月中旬から10月下旬とされているため、これらの対策を終える時期は「10月下旬頃までがひとつの目安」になるという。

なお、同手引きは厚生労働省のホームページより確認できる。

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