猫カフェが初めて国内に登場したのは2004年頃だそう。猫と触れ合うことで心が癒やされるという人は多く、現代人のオアシスとして根強い支持を集めている。そんな猫カフェが登場から10年を迎えた今、新たなトレンドが注目されているという。それは「里親募集型」の猫カフェだ。

H25年6月生まれのオス猫「くるり」はみんなのボス的存在!

今年5月に三重県内で2番目の猫カフェとしてオープンした「ねこのいえ」もその一つで、ログハウスの建築会社であるYSKが運営している。カフェの設立者でもある山口幸範社長が以前より動物の殺処分問題に関心を寄せており、自身も保護猫を6~7匹引き取って飼っていたことなどが出店経緯だという。

三重県内2番目の猫カフェ「ねこのいえ」

里親募集型の猫カフェとはどのようなものなのか、「ねこのいえ」店長の安濃香里さんに話をうかがった。

「里親を探せる」ログハウスの猫カフェ

――猫カフェは三重県内で2件目ということですね。

安濃さん「はい。前例のあまりない中での出店でしたので、手探りの中での開店でした。近隣の県の猫カフェを何店舗も視察し、サービス内容などを研究しました」

ログハウスの木の香りに癒やされる

20匹以上の猫がお出迎え

――「ねこのいえ」の特長を教えてください。

安濃さん「里親を探せる猫カフェというのが一番の特長です。猫は現在22匹いて、性格も容姿も様々。また、ログハウスの木の香りを楽しみながら、猫と触れ合えるのも特長です。

当店は時間制となっていますが、居心地が良いので長居したくなるとおっしゃってくださる方も多く、2時間コースでたっぷりと楽しまれる方が多いです」

現在、里親募集中の猫たち

※この情報は2014年9月8日現在のものです。詳細は「ねこのいえ」にお問い合わせください。

H25年6月生まれ・メスの「つゆ」。ウルウルおめめの美人猫

H25年6月生まれ・メスの「こはる」。みんなにお乳を与えるママ猫

H25年12月生まれ・オスの「リキ」。キジ猫の弟的存在

H25年12月生まれ・オスの「こころ」。天真爛漫で子どもみたいな猫

H25年6月生まれ・オスの「くう」。背中のマッサージが大好きな甘えん坊

H18年6月生まれ・メスの「ふう」。ちょっぴり寂しがりやの三毛猫

H25年6月生まれ・メスの「まめ」。甘えん坊の怖がり屋さん

H18年6月生まれ・メスの「りん」。キュートで大人気、「ふう」とは姉妹

H26年4月生まれ・オスの「コール」。兄弟のジャックは里親が見つかりました

H26年1月生まれ・メスの「ササミ」。ひとなつっこさNo.1!

H25年5月生まれ・メスの「ラブ」。オッドアイが特徴です

H25年5月生まれ・メスの「アイ」は「ろく」のママ猫

推定3歳・メスの「くるみ」。人懐こい甘えん坊さん

H25年10月生・オスの「ロイ」。とっても大きい甘えん坊の茶トラ

@H26年4月生まれ・メスの「ろく」。八割れ三毛猫

H26年1月生まれ・オスの「クロ」。甘えん坊のシロネコ

H26年5月生まれ・メスの「ルナ」。お腹を見せて甘えてきます

H26年5月生まれ・メスの「まりも」。遊ぶの大好きヤンチャな女の子

里親になるには? 注意すべきポイント

――お客さんはどのような世代が多いですか?

安濃さん「年配の方から若い方まで、幅広い世代の方にお越しいただいています。里親になるために訪れる方もいらっしゃいますし、もちろん純粋に猫好きで猫と触れ合いたくて通ってくださる方も多くいらっしゃいます。地元だけでなく県内の幅広い地域、中には車で1~2時間かけてお越しになる方もいます」

縁側でじゃれあう「ねこスタッフ」たち

「ねこスタッフ」同士、とっても仲良し

――猫の里親になるにはどうすれば良いですか?

安濃さん「まずお店に来て、猫たちと触れ合ってみてください。その中で気に入った子を見つけたら、引き取りの申請をしていただきます。引き取るためには室内飼いのみとすること、ワクチンを接種させること、去勢・避妊手術をすることといった条件があります」

――なぜ室内飼いが良いのですか?

安濃さん「室外ですと交通事故に遭う恐れや、様々な病気の感染確率も上がります。猫の殺処分ゼロを目指していることもあり、こうしたリスクを取り除く室内飼いを推奨しています」

広々したスペースでストレスフリー

ログハウスならではの安心感

――これまでに何匹ほどが里親に引き取られていますか?

安濃さん「5月の開店から現在までに20匹が引き取られています。『ねこのいえ』に来る猫は、事情により飼えなくなった方から引き取ったり、捨て猫を拾ったボランティアさんから引き取ったりしています」

――今後来店を検討している方へメッセージをお願いします。

安濃さん「今後もお店を続けることで、猫の殺処分ゼロを目指したいです。ペットショップではなくまずは『ねこのいえ』に来て、気に入った子を見つけてほしいと思います」

年間12万匹が殺処分される現状を変える契機に

社団法人ペットフード協会が実施した「平成25年度 全国犬・猫飼育実態調査」によれば、現在わが国ではおよそ970万匹の猫が飼われているとのこと。その一方で、環境省が平成24年度に行った調査によると、年間に全国の保健所等が引き取った猫のうち約90%にあたる12万3千匹もの猫が殺処分されているという。

こうした「人間の都合による殺生」を1匹でも減らすために、里親募集型の猫カフェが果たす役割は大きい。また、新たにペットを迎えたい飼い主にとっても、命の大切さを学べるだけでなく、実際に触れ合ってから猫を選べるという点においてもメリットがあると言えよう。

「ねこのいえ」では、売り上げ収益金の一部は地域ボランティアに寄付しているとのこと。猫に癒やしてもらうだけではない、「動物と暮らすということ」「命の大切さ」を改めて考える機会を与えてくれる同店のような取り組みが今後も増えることに期待したい。

ねこのいえ
住所:三重県度会郡玉城町勝田3591-2 YSK本社ショールーム2F
営業時間:11:00~19:00(年中無休)
料金:30分800円、45分1,000円、60分1,300円、120分2,000円、延長は30分500円(セルフサービスのフリードリンク制)