国際通貨基金(IMF)は24日、世界経済見通しを改訂した。2014年の世界経済の成長率を3.4%と予測し、2014年4月時点から0.3ポイント下方修正した。米国などで第1四半期が低調だったことに加え、一部新興市場国・地域の見通しが当初ほど楽観視できなくなったことを反映させたという。

2015年の成長率については、一部の先進国・地域で若干力強さが増すと見て、前回と同じ4%に据え置いた。

国別に見ると、米国は寒波の影響で需要が落ち込み、在庫調整が行われたことなどが響き、前回より1.1ポイント低い1.7%に下方修正。ロシアはウクライナ情勢などにより経済活動が急激に減速したことから、前回より1.1ポイント低い0.2%に引き下げた。

一方、日本は第1四半期のパフォーマンスが想定以上に力強かったとし、前回より0.3ポイント高い1.6%に上方修正した。

先行きについては、2014年の第2四半期から回復すると予想。「米国の在庫調整といった第1四半期の弱さの一部の根底的要因の影響は一時的なもので、それ以外は中国を含め政策措置により相殺される」と分析している。

ただし、懸念材料として、地政学的リスクが高まり原油価格が急騰する可能性や、米国長期金利の予想以上の上昇などで金融市場が不安定になることを挙げ、「世界経済の成長はより長期にわたり一段と弱くなる可能性もある」と指摘している。