猫は約5,000年以上も人間とともに暮らしている、私たちにとって非常に身近な存在。しかし、ひと口に「猫」といっても、アメリカンショートヘアー、アビシニアンなど、様々な種類があり、特徴もそれぞれ異なるものだ。さらに、ライオンやトラといったネコ科の動物も猫の仲間ということは、意外と忘れがちである。

世界中の猫に出会える「伊豆高原 ねこの博物館」

知っていそうで知らないことが多い猫のことについて、何でもわかる施設が「伊豆高原 ねこの博物館」だ。世界の野生ネコを生息地域別のジオラマにて展示するほか、猫と一緒に遊べるふれあい広場もあり、猫の魅力をトコトン楽しむことができる。猫好きにはたまらない同館の魅力をお届けしよう。

ネコの歴史や種類を知る

野生ネコの世界のアジア地域に分布するネコ科標本

野生ネコの世界のトラの亜種標本

1Fフロアーに広がる「野生ネコの世界」では、世界の野生ネコ38種のうち28種、巨大なトラから最小のクロアシネコまで、生息地域別のジオラマにより展示公開している。世界最大といわれるシベリアトラのはく製は、今にも雄たけびが聞こえそうなほどの大迫力。ほかにも、希少絶滅種であるバリトラやジャワトラの頭骨標本も展示されている。

ネコ科といえば、百獣の王・ライオンも忘れてはならない。「生息地域別ジオラマ」コーナーでは、地域ごとのジオラマを展示し、各地のネコがどのような暮らしをしているのか伝えている。ライオンは「アフリカの野生ネコ」として紹介されているのでチェックしてほしい。群れで生活するライオンは、ネコ類の中でも異色の存在とのこと。

ネコ類の進化を語る上で欠かせないサーベルタイガーやケーブライオンなどの標本

さらに、「希少・珍種標本」コーナーでは、1920年に絶滅してしまったバーバリーライオンや、個体数が減少しているソマリライオン、ペットとして愛されている「イエネコ」の祖先といわれるリビアヤマネコなど、めったに見ることができない貴重な標本を展示している。見ているだけでも楽しめるが、知識を得ることで更に猫が好きになるはず。

珍しい種類の猫ともふれあえる!

アビシニアン、ラグドール、アメリカンショートヘアーなど人気種を展示

2F「世界のねこちゃん」コーナーでは、約30種60匹(リフレッシュ日などにより休む場合もある)の猫がお出迎え。飼い猫としても人気が高いアメリカンショートヘアーやスコティッシュ・フォールド、マンチカンはもちろんのこと、エジプシャンマウやコーニッシュレックス、デボンレックス、バーマンなど、珍しい猫たちにも出会うことができる。

エジプシャンマウは、美しい毛並みとスポット模様が特徴。コーニッシュレックスは、全体的にほっそりとした体型で、高い位置についた大きな耳が印象的だ。バーマンの目はサファイヤブルーで、デボンレックスの毛はまるでパーマがかかったようにカールされている。いろんな猫の特徴を一度に確認できる施設は珍しい。

「ふれあい広場」は、これらの世界の猫たちと一緒に遊ぶことができるゾーン。キャットタワーに登って寝ている姿を眺めるもよし、一緒に遊ぶもよし。ふだんはめったに出会えない猫たちとふれあえることも同館の魅力。思う存分、「猫分」を補給してほしい。

寝転んだりじゃれついたり、自由気ままな猫たちとの触れあいを楽しめる

猫グッズも要チェック!

猫をモチーフとした世界の人形・絵画・玩具などを展示

同館には美術館もあり、リアルな猫だけでなく、郷土玩具や招き猫、猫モチーフの美術品など、様々なアイテムを展示している。猫は古代エジプトでは信仰の対象でもあり、美術品として残されているとのこと。ボディペインティングが施されたものもあるなど、国によって個性が表れているのが面白い。

かわいい猫のキャラクターグッズを多数取り扱っている

最後に紹介するのは、ミュージアムショップ。大きな瞳が印象的なオリジナルの黒猫「タビログ」グッズをはじめ、招き猫や民芸品、写真集やネコ科動物に関する書籍などを販売している。愛猫に似たグッズを探したり、お土産を選んだりしているうちに、時間を忘れてしまいそうになる。

館内のどこを見ても、ねこ、ネコ、猫! とにかく猫づくしの同館は、「猫愛」に満ちあふれているのであった。

●information
伊豆高原 ねこの博物館
静岡県伊東市大室高原7-600