――ここ2年で演技の仕事が増えていますね。演じることのやりがいや魅力というと、どういう部分になるんでしょうか。

決して慣れたとは言えません(笑)。こなれることも全然なくて、常に初心の気持ちです。2012年の朝ドラから演技のお仕事をはじめたんですが、その前から演技レッスンだけは続けていました。でも、女優になれるとは思ってなくて、ただ楽しいからやっていたんですけど。

――女優になるための演技レッスンじゃなかったと。

そうですね。あとは、周りから「女優顔じゃない」「女優は無理」と言われていたので、自分でもそうなんだと思っていました。

――すごく素直ですね(笑)。

私もまだ十代だったので(笑)。でも、朝ドラをきっかけに、周りの役者さんとかスタッフさんがクランクアップの時に温かい言葉をかけてくださったんです。「ハーフとか関係ない。難しいことに挑戦することが面白いことで、あなたはハーフとしてももちろん魅力的だけど、その前に日本の女性としてすばらしいから自信持って女優を続けろ」と。これは武田鉄矢さんの言葉です。

――さすが先生ですね。

先生ですよ、もう(笑)。感動しました。皆さん、女優を続けてねって言っていただいて、じゃあ挑戦してみようと。難しいことかもしれないけど、がんばろうと。

――終わってそういう気持ちになったということは、朝ドラの出演自体はやりたくてやったというよりも、やらなきゃいけなくてやったという感じ?

これもオーディションだったんですが、まず朝の顔じゃないから受からないと自分では思っていたんです(笑)。ヒロインは落ちたんですが、後日呼んでいただいて、新しい役を作ってくださいました。私、家族とすごく仲良いんですけど、ドラマが家族の話だったので、自分の家族の話をしたらそれがよかったみたいです。

――それから作品を重ねて、演じる喜びや面白さが見えていったわけですね。

そうですね。楽しさが見えてきたというか、もっと好きになっていったという感じですね。

――狂った今回の役や、最近では『キカイダー REBOOT』(5月24日公開)でアクションにも挑戦していますし、高橋さんは今後どうなってしまうんだろうと。

演技の方に力を入れて、女優としてモデルで呼ばれるようになればいいなと思っています。私、アンジェリーナ・ジョリーが大好きなんですよ! だから、将来の夢を聞かれたら「アジアのアンジェリーナ・ジョリーになることです!」と言うようにしています。

――今回のような狂った役は念願だったと聞きました。

うれしいですね。やりたい役のチャンスをいただけているので。

――原作がある中で、犀原茜はオリジナルのキャラクター。一方で、夏公開の『るろうに剣心』では原作のキャラクター・駒形由美。それぞれにやりがいや難しい部分があると思うんですが。

茜に関しては、原作にないのですごく自由にやることができました。それが楽しかったですね。でも、幅が広い分、どこまで見せられるのかというプレッシャーやハードルはありました。『るろうに剣心』は昔から読んでいた作品で、中でも由美が大好きだったんですよ。だから、好きすぎて難しかったというか。好きな人の気持ちがわかるので、それもすごくプレッシャー。原作ファンを裏切りたくないし、実写の良さも見せていきたいし。そのバランスも難しかったです。本当に見てほしいです。結構命かけたので(笑)。

――役作りは入り込んでしまうタイプですか。

キャリア的にも技術とか分からないので、やっぱり気持ちから入っていかないと、と。お芝居をしていない人でもその方が何かを抱えていたら、その背中から伝わるじゃないですか。だから、少なからず気持ちをガッといれることで、あふれでてくるんじゃないかと。だから、撮影中はその役に似ちゃいますね。

――じゃあ、犀原茜にも(笑)。

撮影中、友達に会った時に「どうしたの、暗いよ」と心配されました。顔色まで悪いと言われたので、ウシジマくんやってるからかなぁと思ってました。

――日常に出てきたら一番よろしくない役だったのでは(笑)。

もちろん、ここまではやりませんけど(笑)。お母さんが厳しいので、そこまで汚くは食べれなかったんですけど、茜をやっている時は食べ方の練習もしたり。多少こぼしてもいいから普段から心がけていました。弟や妹に見てもらって、スプーンの持ち方も研究しました。

――茜は、部下である村井(マキタスポーツ)を罵倒するなどドSな一面も特徴的ですね。

今まで自分がSなのかMなのか、正直分かっていなかったんです。でも、茜をやってドMなお芝居をしてくださる方が周りにいたので、そのおかげでSの気持ちはこういうことなのかと。ドS心をくすぐられて、生み出してもらって、すごく楽しかったです。いじめるのが(笑)。

――役柄をとおして自分の本性を知ることができるって不思議ですね。

そうですね。だから、本当に面白い職業だなと思います。

(C)2014真鍋昌平・小学館/映画「闇金ウシジマくん2」製作委員会