19日に行われた軌間可変電車(フリーゲージトレイン)のプレス公開に続き、20日未明から九州新幹線熊本~新八代間で、同車両による走行試験が始まった。今後、約3年かけて性能確認試験・耐久走行試験を行う。
フリーゲージトレインは2022年度開業予定の九州新幹線長崎ルート(武雄温泉~長崎間。在来線の新鳥栖~武雄温泉間で軌間変換)への導入をめざし、技術開発が進められている。新試験車両(4両編成)は九州新幹線・新八代接続線(軌間変換)・鹿児島本線(在来線)を繰り返し走る「3モード耐久走行試験」に使用され、3年間で約60万km走り込む予定だという。
20日未明に行われた最初の走行試験では、多くの報道陣が集まる中、0時50分頃に新試験車両が熊本駅14番のりばに入線。約10分程度停車した後、1時過ぎに発車し、新八代方面へ折り返していった。九州新幹線熊本~新八代間での走行試験(時速120km以下)は5月上旬まで続き、5月中旬からは鹿児島本線熊本~八代間と新八代接続線で走行試験(時速130km以下)を実施する。
10月中旬まで性能確認試験(試験車両の安全性と走行性能の確認、線路などへの影響確認のための試験。走行時間帯は深夜0~5時頃)を続けた後、2017年3月頃まで耐久走行試験(部品や軌道の摩耗およびこれにともなう走行状態などのデータ収集のための試験)を実施。「3モード耐久走行試験」を経て耐久性最終評価を行い、量産車設計・製作へつなげるとしている。