財務省は10日、2014年1月の国際収支状況(速報)を発表した。それによると、海外とのモノやサービスの取引状況などを示す経常収支は1兆5,890億円の赤字となり、比較可能な1985年以来、過去最大の赤字幅を記録した。赤字は4カ月連続で、前年同月比で1兆2,406億円増加した。

貿易・サービス収支は2兆8,128億円の赤字で、赤字幅は前年同月より1兆1,669億円拡大した。赤字は22カ月連続(季節調整値ベースでは35カ月連続の赤字)で、過去最大を更新した。

経常収支(出典:財務省Webサイト)

貿易収支は2兆3,454億円の赤字で、赤字幅は前年同月比で1兆384億円拡大。赤字は19カ月連続で、こちらも過去最大を記録した。自動車や有機化合物を中心に輸出が増加したものの、原粗油や液化天然ガスを中心とした輸入の増加が上回ったことが影響した。

輸出額は前年同月比7,902億円増の5兆5,167億円で、11カ月連続の増加。輸入額は同1兆8,286億円増の7兆8,620億円で、15カ月連続の増加となった。

また、同省関税局がまとめた2014年1月分貿易統計(通関ベース)によると、輸出額は前年同月比4,538億円増の5兆2,524億円となった。主要地域別では、対米国が同1,836億円増、対EUが同1,029億増など。商品別では、自動車が同953億円増、有機化合物が同491億円増、鉱物性燃料が同427億円増などとなった。

輸入額は前年同月比1兆6,119億円増の8兆441億円。主要地域別では、対中国が同4,884億円増、対中東が同3,975億円増など。商品別では、原粗油が同3,091億円増、液化天然ガスが同1,298億円増、半導体等電子部品が同946億円増などとなった。

サービス収支は4,674億円の赤字で、赤字幅は前年同月比で1,285億円の拡大。「輸送収支」「旅行収支」は赤字幅を縮小したのに対し、「その他サービス収支」が赤字幅を拡大したことが響いた。

第一次所得収支(従来の資本収支)は1兆3,374億円の黒字で、黒字幅は前年同月より1,063億円拡大。直接投資に係る配当金・配分済支店収益の受取増加等により直接投資収益が増加したほか、証券投資に係る債券利子の受取増加により証券投資収益も増加したため、第一次所得収支の黒字幅は5カ月連続で拡大した。