第86回アカデミー賞受賞式が3日、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターにて開催された。

同授賞式の最大の目玉である作品賞を受賞したのは、ブラッド・ピットがプロデューサーに名を連ね、初の長編映画『ハンガー』(2008年)でカンヌ国際映画祭カメラ・ドールを受賞するなど新進気鋭の映画作家として注目を集める、スティーヴ・マックイーン監督が手掛けた実話をベースとした作品『それでも夜は明ける』。同監督は「生きていくことが重要。というのがこの映画のメッセージ。今もまだ奴隷生活を送る2100万人の人にこの賞を捧げたい」と語り、登壇したブラッド・ピットら関係者と喜びを分かち合った。

ブラッド・ピットら『それでも夜は明ける』の関係者
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各賞を獲得した、左からマシュー・マコノヒー、ケイト・ブランシェット、ルピタ・ニョンゴ、ジャレッド・レト
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また、主演男優賞を獲得したのは、治療薬を求めて製薬会社や政府と戦ったHIV感染者の1人の男の実話をもとにした人間ドラマを描いた『ダラス・バイヤーズクラブ』のマシュー・マコノヒー。アカデミー賞のノミネート、受賞ともに今回初となったマシュー・マコノヒーは、「10年先の自身が常に自分にとってのヒーロー。そこに到達することはないけれど、それが常に追いかける相手。人生においては、尊敬するもの、期待すること、追っかける相手が大切で、それですべてがうまくいく」と、21キロもの減量で役作りに挑んみ、悲願達成につながった信念を誇らしげに語った。

一方、主演女優賞は、『アビエイター』(2004年)で第77回アカデミー賞助演女優賞に輝いて以来、2度目のオスカー受賞となったケイト・ブランシェット。主演女優賞では『エリザベス』(1998年)に次いで2回目のノミネートで栄誉を手にし、「この映画に関わるのは私の仕事の集大成とも言えるようなもの。スタッフの皆さんとのこの6年間の取り組みは本当に光栄で、私をよりよい女優にしてくれました」と、着実にキャリアを重ねる実力派女優の貫禄いっぱいでスピーチを展開した。

マシュー・マコノヒー『ダラス・バイヤーズクラブ』
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ケイト・ブランシェット『ブルージャスミン』
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そのほか、授賞式では、2007年に続いて2回目の司会を務めるエレン・デジェネレスが軽快でユーモアたっぷりのトークや、ハリウッドスターたちとの豪華な絡みをを見せ、会場を盛り上げた。また、楽曲が歌曲賞にノミネートされているミュージシャンが登場。『マンデラ ロング・ウォーク・トゥ・フリーダム』に"Ordinary Love"を提供したロックバンドのU2、『怪盗グルーのミニオン危機一発』に"Happy"を提供したファレル・ウィリアムスらが生演奏を披露し、観客を大いに沸かせた。

アルフォンソ・キュアロン監督『ゼロ・グラビティ』
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ジャレッド・レト『ダラス・バイヤーズクラブ』
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ルピタ・ニョンゴ『それでも夜は明ける』
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第86回アカデミー賞の受賞作品一覧

部門名 作品・受賞者
作品賞 『それでも夜は明ける』
監督賞 アルフォンソ・キュアロン『ゼロ・グラビティ』
主演男優賞 マシュー・マコノヒー『ダラス・バイヤーズクラブ』
主演女優賞 ケイト・ブランシェット『ブルージャスミン』
助演男優賞 ジャレッド・レト『ダラス・バイヤーズクラブ』
助演女優賞 ルピタ・ニョンゴ『それでも夜は明ける』
外国語映画賞 『グレート・ビューティー/追憶のローマ』(製作国:イタリア・フランス)
脚本賞 『her/世界でひとつの彼女』
脚色賞 『それでも夜は明ける』
撮影賞 『ゼロ・グラビティ』
編集賞 『ゼロ・グラビティ』
美術賞 『華麗なるギャツビー』
衣装デザイン賞 『華麗なるギャツビー』
メイク・ヘアスタイリング賞 『ダラス・バイヤーズクラブ』
作曲賞 『ゼロ・グラビティ』
歌曲賞 対象曲「Let It Go ~ありのままで~」『アナと雪の女王』
録音賞 『ゼロ・グラビティ』
音響編集賞 『ゼロ・グラビティ』
視覚効果賞 『ゼロ・グラビティ』
長編アニメ映画賞 『アナと雪の女王』
長編ドキュメンタリー賞 『バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち』
短編ドキュメンタリー賞 『ザ・レディ・イン・ナンバー6(原題)』
短編アニメ映画賞 『ミスター・ハブロット(原題)』
短編実写映画賞 『ヘリウム(原題)』

なお、WOWOWでは3月3日夜9:00よりWOWOWプライムにて「第86回アカデミー賞授賞式」を字幕放送するほか、3月9日午後3:00よりWOWOプライムにて「徹底検証!第86回アカデミー賞授賞式」を、3月9日午後3:20よりWOWOWプライムにて「第86回アカデミー賞授賞式ダイジェスト」を放送する予定となっている。