JR東日本仙台支社・盛岡支社はこのほど、気仙沼線BRTへの電気BRT車両の試験導入と、気仙沼線BRT・大船渡線BRTへの観光型BRT車両の導入を発表した。電気BRT車両は3月上旬から走行試験と試運転などを行う予定とされている。

気仙沼線BRTに導入される電気BRT車両外観

内装イメージ

気仙沼線BRTに導入される電気BRT車両は、定員49名の中型路線バス。リチウムイオン電池を搭載しており、電気でモーターを回転させて走行。本吉~気仙沼間(約21.5㎞)を1回の充電で走行できるという。

屋根上には太陽光パネルを設置し、車内照明や車内に設置するモバイル充電用USBコンセントに活用される。災害時に使用するための100Vコンセントも装備。国内では20kmを超えて電気で運行する定期路線バスの事例は少ないため、営業運転を行いながら、導入の可能性に向けた技術的課題を検証するとしている。

観光型BRT車両の導入は、旅行需要創出によるBRT沿線の復興支援が目的。BRT暫定運行開始時に導入した中古車両を活用し、気仙沼線BRT・大船渡線BRTに各1両ずつ導入する。路線ごとにテーマを設定し、乗車することが目的となる「乗って楽しい」車両をめざす。

気仙沼線BRTの観光型BRT車両のテーマは『おでかけ「旅」』。山々の緑色を基調に、沿線で目に入るさまざまな色に、魚や植物などの図柄を組み入れたパッチワーク風の外観とする。車内の床は、緑を基調に芝生が広がる広場や公園をイメージ。シートは木材で格子に組んだ「パーゴラ」に見立てたカラフルな柄になるという。

大船渡線BRTの観光型BRT車両は、『三陸の「海」』がテーマ。三陸の海をイメージした濃い青色を基調に、白波を思わせる白とBRTの赤のライン、さらに海沿いの岩や鳥、魚のモチーフを描いた外観に。内装も海の青をベースカラーに、海をイメージする岩や船、鳥や魚のデザインを取り入れたシートを配置する。

どちらの観光型BRT車両も、大きな側窓と天窓による眺望の良さが特徴。景色がよく見える窓向きシートやグループで楽しめるボックスシートなど、ユニークな座席配置とする。車内にはモニターやパンフレットを設置し、車両の特徴や沿線の観光情報などを紹介。運転席に設置したビューカメラから臨場感ある映像も楽しめる。運行開始日や運行ダイヤなどについては、決まり次第発表されるという。