財務省は20日、2014年1月の貿易統計(速報、通関ベース)を発表した。それによると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は2兆7,900億円の赤字となり、比較可能な1979年以降で初めて2兆円を突破し、過去最大の赤字幅となった。赤字は19カ月連続で、過去最長を更新した。

輸出額は前年同月比9.5%増の5兆2,529億円で、11カ月連続の増加。なお、数量ベースでは4カ月ぶりに減少している。品目別では、自動車が同13.9%増、有機化合物が同25.1%増、鉱物性燃料が同55.1%増、船舶が同37.7%減などとなった。

輸入額は前年同月比25.0%増の8兆429億円で、15カ月連続の増加となり、過去最大の輸入額を更新。品目別では、原粗油が同28.1%増、液化天然ガスが同21.4%増、半導体等電子部品が同57.3%増などとなった。

2014年1月分の貿易統計(速報)(出典:財務省Webサイト)

地域別に見ると、対米国は、輸出額が前年同月比21.9%増の1兆236億円、輸入額が同25.9%増の6,564億円で、3,672億円の黒字。黒字は13カ月連続となる。輸出品目では、自動車が同20.6%増、有機化合物が同66.0%増、原動機が同19.4%増。輸入品目では、航空機類が同69.3%増、原動機が同30.1%増、石油製品が同48.2%増となった。

対EUは、輸出額が前年同月比20.2%増の6,111億円、輸入額が同20.2%増の6,997億円で、886億円の赤字。赤字は13カ月連続となる。輸出品目では、自動車が同53.3%増、建設用・鉱山用機械が同91.6%増、原動機が同16.3%増、自動車の部分品が同13.6%減。輸入品目では、自動車が同26.4%増、航空機類が同163.3%増、原動機が同39.5%増、有機化合物が同16.0%減となった。

対アジアは、輸出額が前年同月比5.8%増の2兆7,027億円、輸入額が同27.2%増の3兆6,691億円で、9,664億円の赤字。輸入額、赤字幅ともに過去最大となる。輸出品目では、有機化合物が同23.3%増、鉱物性燃料が同51.9%増、鉄鋼が同9.1%増。輸入品目では、半導体等電子部品が同66.5%増、衣類・同付属品が同27.9%増、電算機類(周辺機器含む)が同32.9%増となった。

対中国は、輸出額が前年同月比13.1%増の8,626億円、輸入額が同34.4%増の1兆9,074億円で、1兆448億円の赤字。輸入額、赤字幅ともに過去最大を記録した。輸出品目では、有機化合物が同39.6%増、自動車が同115.7%増、鉄鋼が同37.6%増、金属加工機械が同55.0%減。輸入品目では、衣類・同付属品が同25.1%増、電算機類(周辺機器含む)が同32.6%増、半導体等電子部品が同111.4%増となった。