警察庁は6日、2013年の特殊詐欺認知・検挙状況を発表した。それによると、振り込め詐欺など特殊詐欺の被害総額は前年比33.6%(122億5,713万円)増の486億9,325万円となり、過去最悪となった。

認知件数は前年比38.0%増の1万1,998件。1件当たりの被害金額は同2.6%減の437万円だった。

オレオレ詐欺など振り込め詐欺全体の被害総額は、前年比61.5%増の259億996万円と大幅に増加。認知件数は同45.3%増の9,223件。1件当たりの被害金額は同12.3%増の305万円だった。

振り込め詐欺を類型別に見ると、オレオレ詐欺の被害額は前年比52.5%増の170億7,678万円、認知件数は同48.1%増の5,383件と急増。架空請求詐欺の被害額は同113.5%増の64億2,788万円、認知件数は同32.2%増の1,556件。融資保証金詐欺の被害額は同2.5%増の7億2,091万円、認知件数は同14.6%増の463件。還付金等詐欺の被害額は同49.4%増の16億8,439万円、認知件数は同60.7%増の1,821件となった。

オレオレ詐欺の内訳を見ると、「現金手交型」が4,184件と全体の77.7%(前年50.4%)まで増加したのに対し、「振込型」は842件と15.6%(同39.3%)まで減少していた。

オレオレ詐欺の特徴的傾向(出典:警察庁Webサイト)

振り込め詐欺以外に分類される特殊詐欺の被害総額は前年比11.7%増の227億8,328万円、認知件数は同18.3%増の2,775件。1件当たりの被害総額は同6.6%減の854万円だった。

類型別に見ると、金融商品等取引名目の被害額は前年比5.0%減の176億7,668万円、認知件数は同5.9%減の1,868件と前年より減少したものの、全体の67.3%を占めた。ギャンブル必勝法情報提供名目の被害額は同161.4%増の30億8,363万円、認知件数は同121.8%増の579件。異性との交際あっせん名目の被害額は同43.2%減の1億342万円、認知件数は同23.3%増の53件。その他の名目の被害額は同357.0%増の19億1,955万円、認知件数は同400.0%増の275件となった。

このうち金融商品等取引名目では、被害回復を装う手口が12.2%(228件)、トラブル解決を装う手口が24.4%(456件)などとなった。

都道府県別の認知件数は、これまでの東京を中心とした南関東地方一極集中から、徐々に大阪をはじめとする都市部を中心に西日本にも広がっており、大阪での認知件数は初めて全国で3番目にランクイン。手口別の認知件数を見ると、オレオレ詐欺は南関東地方中心、還付金等およびギャンブル必勝法は大阪が圧倒的に多いという。

現金送付型被害ではレターパックによる被害が最も多く851件に上った。警察庁は、「レターパック、宅配便で現金を送れ」といった名目はすべて詐欺の手口であるとし、注意を呼びかけている。