ソニー生命保険はこのほど、「親の介護と認知症に関する意識調査」の結果を公表した。同調査は、全国に住む40歳から69歳の、自身の両親が健在な男女を対象に、10月23日から27日にかけてインターネット調査で実施。有効回答から1,000サンプルを抽出した。
60代は4人に1人が親を介護中
「介護は誰の身にも起こりえる普通のことで、"万が一のことではない"と認識している」について、あてはまるかどうか質問したところ、約7割があてはまると回答した。また、「自分の親の介護をした経験」について聞いたところ、経験がある割合は、40代で約1割、50代で2割強だが、60代では半数近くにのぼった。また、60代では、現在親の介護をしている人が4人に1人(25.1%)と、50代(11.7%)と比較して2倍以上の割合となった。
介護未経験者の7割は、介護に関する親の希望を知らず
親の介護を経験していない人739名に聞いた。「将来の介護について、親とフランクに話すことがある」の項目に、「あてはまる」(「あてはまる」+「ややあてはまる」)と同意した人は、ほぼ3人に1人(32.3%)となった。また、「親がどのような介護を希望しているのか知っている」に「あてはまる」割合は3割にとどまった。残る7割は、親の希望を知らないという結果になった。
介護の場所と金銭的準備、親と子で考えにずれ
「親が要介護状態になったときにどこで介護を受けるか」について、親と子それぞれに聞いた。親の考えについては「介護に関する親の意向を知っている」と回答した217名に、子の考えについては全回答者に聞いた。親の考えは、「住み慣れた自宅」で生活したいが約7割となり、「安心できる高齢者施設」での生活を選ぶ割合を大きく上回った。一方、子の考えは、「自宅」と「高齢者施設」が拮抗する結果となった。
「親の介護に対する金銭的な準備」について聞いた。親は「自身の介護のための金銭的な準備ができている」と考える割合が7割半となった。一方、子の状況としては「自分は親の介護のための金銭的な準備ができている」と考える割合は4割弱にとどまる結果となった。
「介護に必要なお金」と「介護保険の仕組み」について詳しく知っているか聞いたところ、詳しく知っている人はいずれも2割程度にとどまった。
意外と知られていない「認知症に改善の可能性」
認知症に関する説明文を提示した上で、知っていたかどうか質問をした。「加齢による物忘れではない」と、「普段の生活管理が予防につながることがある」は約8割が知っていたと回答。一方、「発症しても症状が改善することがある」ことを知っていた人は6割半となり、残る3割半は知らなかったという結果になった。
同調査では、他に「自分の親は、長生きすることが幸せだと実感しているか」「親の介護への関与について」「親に強く感謝していること」「親への感謝を表す行動」「認知症予防のために活用したいツールについて」などを聞いている。詳細は同社のWEBサイトで閲覧できる。