東京ガスは31日、ガス漏れ修理を委託したガス工事会社および施行班が、実際にはガス漏れを放置していたのにもかかわらず、修理を行ったように見せかけるなどの虚偽の報告をしていたと発表した。虚偽報告は8件で、このうち1件は東京ガス社員が不正を指示していた。

同社によると、2013年10月7日に、当該施行班が不正を行っているとの通報が寄せられたため、通報に基づき、当該施工班がガス漏れ修理を行った現場を確認したところ、10月17日にガスが漏れていないガス管を修理したように装った現場を発見した。

また、当該施工班が直近(法定漏えい検査40カ月以内)にガス漏れ修理を行った現場422件を調査した結果、35件でガス漏れを確認。このうち7件で漏えいを放置し、虚偽の修理報告が行われていたことが判明した。

その後の聞き取り調査において、当該ガス工事会社の監督者ならびに当該施工班もこの事実を認めたとともに、東京ガス社員の関与を示唆したことから、本人に聞き取り調査を行ったところ、10月28日に、上記以外の1件の現場で不正を指示したことを認めたことがわかった。

同社は29日、経済産業省にこの問題について報告。31日に、同省から問題の詳細などをまとめたものを提出するよう指示を受けた。

同社は問題が起きた原因について、チェック機能が十分に働かなかったためと推測。利用者に対して「このような事態が生じましたことを重く受け止めており、お客さまに大変ご迷惑をおかけしましたことを心からお詫び申し上げます」と謝罪した。

また、このほかのガス工事会社が受託したガス漏れ修理現場において、サンプル調査を行ったところ、ガス漏れはあったものの、虚偽の修理は確認されなかったという。なお、ガス漏れのあった現場については、既にガス漏れ修理を終了している。

今後は、直近(法定漏えい検査40カ月以内)の法定漏えい検査により、ガス工事会社がガス漏れ修理を行ったすべての現場約8,000カ所について、ガス漏えい検査を実施。併せて、関係社員および委託会社に聞き取り調査を行い、不正の有無を確認する。さらに、関係社員および委託会社、施行班への再教育を実施し、再発防止に努めるとしている。