画像はイメージ

日本経済団体連合会(経団連)は9月13日、採用選考に関する指針を発表した。会員企業は、大学卒業予定者・大学院修士課程修了予定者等の採用を選考する際に、同指針に配慮しながら自己責任原則に基づいて行動するとしている。

採用活動は全体的に繰り下げ

大きく変化するのが、「採用選考活動早期開始の自粛」についての項。既報の通り、学生が本分である学業に専念する十分な時間を確保するため、採用選考活動開始を遅らせることとなる。具体的には広報活動が卒業・修了年度に入る直前の3月1日(現行では12月1日)以降、選考活動が卒業・修了年度の8月1日(現行では4月1日)以降。また、採用内定が卒業・修了年度の10月1日以降。

「採用選考に関する指針」の手引きによると、具体的に指針に沿って取り組む際には下記の内容を踏まえて対応する必要がある。

2月末までの活動、何がOK?

・インターンシップ…学生へ就業体験の機会を提供するものであり、社会貢献活動の一環とされる。採用選考活動とは一切関係ないことを明確に、原則としては5日間以上の期間をもって実施、学生を企業の職場に受け入れるもの。取得した個人情報をその後の採用選考活動で使用しない。

・採用サイトや入社案内等の情報発信…ホームページにおける記事や写真、動画、文書や冊子等の文字情報によるPRなど不特定多数に向けたもの。また、「3月1日からプレエントリーを受け付ける」など、広報活動のスケジュールも公開して差し支えないとされている。

3月1日からの広報活動、何がOK?

・プレエントリー受付…自社の採用サイト、あるいは就職情報サイト等の「学生の登録」によるプレエントリーの受付、及び登録情報をもとにした広報活動。マイページ登録者向けクローズドコンテンツの展開や、就職情報サイトからのエントリー者向けDM発信など。

・選考に関係のない会社説明会…学生が自主的に参加の可否を判断でき、その後の選考活動に影響を与えない説明会。説明会への参加の有無が今後の採用選考のプロセスに影響しないことを明記する。大学が行う学内セミナー等への参加も3月1日から可能に。

・WEBテスト、エントリーシートの募集…日程・場所等に関して学生に大幅な裁量が与えられている「広義の選考活動」については、学事日程への影響も少ないことなどを考慮し、8月1日よりも前に行えるとしている。

8月1日からの選考活動、何がOK?

・選考に関係のある会社説明会等…参加しないと選考のための次のステップに進めない説明会、及びイベントなど。

・面接、試験…時間と場所を特定、学生を拘束して行う面接や試験。

その他、学生のクールビズや既卒者についても配慮のもと、適切な対応に努めることとしている。同指針の内容は、2016年度入社以降の採用選考活動が対象。2015年度入社までの採用選考活動については、2011年3月15日改定の「倫理憲章」が適用されている。