富山地方鉄道の観光列車「ダブルデッカーエキスプレス」が25日にデビューし、試乗会と初運行イベントが開催された。同列車は26日から、通常ダイヤに充当して運用される。

電鉄富山駅を発車した「ダブルデッカーエキスプレス」。背後に建設の進む北陸新幹線の高架が見える

同列車は3両編成で、ともに京阪電気鉄道の旧3000系特急車だった車両。先頭車の10033号・10034号は昨年、京阪特急色に塗り直され、「鳩マーク」も復刻。中間車の31号(ダブルデッカー)は、旧3000系特急車の最後の編成(今年3月に京阪から引退)に組み込まれた車両で、京阪から譲渡され、富山地鉄の軌間に合わせるなどの改造が施された。

2階建て車両の側面に「31」と記されている

同列車について、「2階席から立山連峰など富山の大自然をパノラマで楽しんでいただき、階下席から一風変わった視界の面白さを楽しんでいただきたい」(富山地方鉄道)とのこと。

25日は朝9時前に稲荷町車両基地を出て電鉄富山駅へ。来賓・報道関係者向けに試乗会が開催され、9時40分に電鉄富山駅を発車し、越中荏原駅まで1往復した。デビューを記念した式典とテープカットが行われた後、「ダブルデッカー車輌導入記念1日フリー乗車券」と、座席番号(または補欠番号)が記載されたプレミアムカードを持参した利用者を対象に、初運行イベント(臨時特別運行)を実施。電鉄富山駅から宇奈月温泉・立山方面へ運行されたという。

「ダブルデッカーエキスプレス」は26日以降、電鉄富山~宇奈月温泉間の特急「うなづき5号」「うなづき10号」で運用される。特急列車としての運行時のみ、中間車(ダブルデッカー)は座席指定車となり、座席指定料金は210円。同列車はその他、朝の時間帯に普通列車としても運用されるとのこと。