ニュースタイル飲料、マイボトルドリンク「drop」

7月8日、サントリーとサーモスが共同開発したマイボトルドリンク「drop」の発表会が行われた。「drop」とは、サーモス製の専用ボトルで、サントリーが開発した新しいフレーバーのドリンクを楽しむというもの。昨今のエコ志向によるマイボトルブームを受け、ドリンクを通じた新しいライフスタイルを提案する。

「自分好み」を持ち歩くこだわりの飲料

共同発表会を開催した小郷氏と樋田氏

サントリー食品インターナショナル 取締役副社長 食品事業本部長 小郷三朗氏より、サーモスとの共同開発の狙いや、経緯、商品開発にかける思いなどが明かされた。このプロジェクトは、飲料市場の拡大を目指して次世代の商品を開発しようという思いからスタートしたという。

「全く新しい飲料スタイルを提案するため、約3年間、サーモスとともに進めてまいりました。自分スタイルの飲み物を、時間がたっても楽しめる濃縮飲料を当社が開発、そしてサーモスにはその味、香りを実現するのに欠かせない専用ボトルを開発していただきました」と小郷氏。

専用ボトルは保温、保冷にすぐれ、いつでもこだわりの味が楽しめる。また、このスタイルならばゴミも出にくく、「近年のエコ志向、賢い消費に合致したスタイルを提案できると自負しています」と語った。

サーモス 取締役社長の樋田章司氏は、あいさつとともに同社の歴史にも言及。同社は1904年に世界発のガラス製魔法瓶を開発、大きな転換期のひとつとなったのが2006年頃からのマイボトルブームだという。

「それまでのファミリーユースからパーソナルユースへと移行し、個々で好きな飲み物を楽しむようになりました。そんな新時代のライフスタイルをより定着させたいとの願いから、この共同開発に関わってまいりました」(樋田氏)

酸化を防ぐのでおいしさが長持ちする

開発を担当したサントリー食品インターナショナル 食品事業本部 ブランド戦略部課長 吉雄敬子氏

「マイボトルで好きな飲み物を持ち運ぶ」というスタイルには、持ち運ぶうちに味の劣化を招くという欠点がある。2~3時間後に飲んでみたら、味も香りもしなくなっていてがっかりという経験をした人も多いのではないだろうか。

「drop」はここに着目し、独自の技術により酸化による飲料の味、香りの低下を防いでいる。少量の水で繰り返し抽出する「非濃縮高濃度抽出」で、豊かな味わいとフレッシュな香りを実現した。

また、充填後の加熱工程を必要としない製法により、フレッシュなおいしさをキープする。専用ボトルは1,000万分の1気圧以下の真空断熱層により、高い保温、保冷力を持ち、おいしい温度を長時間保つことが可能。この方法ならば3時間程、味と香りの鮮度をキープできるとのこと。

手軽に楽しめる

商品のイメージビデオも紹介された

発表会では試飲も行われた。まず、白い専用ボトルに濃縮飲料が入ったポーションを装着。取っ手をぐっと上に動かし、ポーションを押しつぶすことで、液体がボトルの中に抽出される。ポーションを専用ボトルの中で開封させるため、手を汚さずにすむのもうれしい。

そして好みの温度の水または湯を注げばできあがりだ。注ぐ水または湯の量により、好みの濃さにアレンジができるほか、コーヒー、紅茶などには好みで、ミルクや砂糖などを加えてもOK。

ボトル自体はハンドルがあるので持ち上げやすく、オフィスのミーティング中や、PC作業中にも使いやすい。密閉度が高く持ち運んでもこぼれにくいので、アウトドアにも最適だ。

専用ボトルにポーションを装着し、ハンドルを使って開封

後は湯または水を注ぐだけ

試飲会場には作り立てのコーヒーと、2時間ほど時間を置いたコーヒーがあったが、味と香りの劣化はほぼなかった。

このたび発売されるフレーバーは全12種。コーヒーだけでも「深煎りエスプレッソ」、「マイスターブレンド」、「芳醇カシスコーヒー」、「焦がしキャラメルコーヒー」の4種が用意されており、紅茶や中国茶、そしてオレンジジュースやアセロラジュースなど、バラエティー豊かなラインナップだ。

ポーションのフレイバーは12種類

なかでも「焦がしキャラメルコーヒー」は、試飲会場でも「疲れた時にいい」と人気を呼んでいた。「白桃烏龍茶」は、爽やかな白桃の香りが広がり、「香る烏龍茶」、「ジャスミン茶」、「ベルガモットアールグレイ」、「抹茶入り緑茶」は茶葉から直接作ったかのような新鮮な味わい。とろりと甘い「あまとろ梅」、「太陽のアセロラ」は女性陣から好評だった。

また、意外に評判が高かったのが「HOTでおいしいオレンジ」。オレンジジュースを温めると酸味が強くなりすぎる印象があるが、このオレンジジュースは酸味と甘みがほどよく調和し、ふんわりと香りが口や喉に広がる印象だった。

「drop」は2013年10月より、1都3県(埼玉、千葉、神奈川)のセブンイレブン約5,000店舗での販売をスタートし、順次、販売を拡大していく予定とのこと。価格はdropポーションが90円/個、drop専用ボトルが1,980円。