阪急電鉄は6日、新型通勤車両として、神戸線・宝塚線に1000系、京都線に1300系を導入すると発表した。運用開始は今年秋以降を予定している。

新型車両1000系の外観イメージ。伝統のマルーンを継承し、新しさも感じさせるデザイン

車内イメージ(「※4」は仕切り板、「※5」は側入口部の握り棒を示している)

新型車両1000系・1300系は、マルーンとアイボリーを組み合わせた車体色をはじめ、木目調の化粧板、ゴールデンオリーブ色の座席など、外観・内装とも阪急車両の伝統が踏襲されている。その一方で、前照灯を一体化し、すっきりとした印象を与える外観にするなど、新しさも感じさせるデザインとなった。「すべてのお客様に快適な移動空間 ~さらなる環境性能の向上~」を開発コンセプトに、前形式車両(9000系・9300系)のコンセプトを継承しつつ、「静かさ」「省エネルギー性能」の向上をめざしたという。

新型車両では、主電動機に熱損失を減らしながら密封(全閉)可能な「全閉式高効率主電動機」を採用。これにより、前形式車両と比べて客室内の騒音レベルが約4dB(A)、音量に変換すると約40%低減されるという。その他、低騒音型駆動装置やフラット防止機能付きブレーキシステムなどで騒音低減を図り、VVVFインバータ制御装置の採用、前照灯も含むすべての照明機器のLED化で、消費エネルギーの削減も達成(既存車両と比べて約50%、前形式車両と比べて約20%)した。なお、省エネルギー性能の向上技術については、今後の既存車両のリニューアルでも活用されるとのことだ。

安全性にも配慮した設計となり、前形式車両と同様、アルミダブルスキン構造の車体を採用。車内もできるだけ角部が出ないように設計されたという。座席端部の仕切り板は大型化され、側入口部に握り棒も設置した。車内案内表示器には32インチハーフサイズの大型液晶ディスプレイ(フルハイビジョン対応)を採用し、視認性を高めた。バリアフリー設備も充実し、車いすスペースは動線を考慮してスペースが拡大される。

1000系・1300系ともに8両編成(4M4T)を基本とし、最大寸法は1000系が全長19m・幅2,770mm・高さ4,095mm、1300系が全長18.9m・幅2,825mm・高さ4,095mm。今年秋以降、1000系は神戸線・宝塚線で、1300系は京都線で運用開始される予定。