中国人の妻と結婚して9年目になる著者が、日常生活を送る中で感じた、日中の文化の違いを紹介するコラム【中国人妻、あるある!】。前々回前回はそれぞれ「冷たい飲み物を飲みたがらない」「生の海産物を口に入れない」と飲食関連だったが、今回も飲食関連で「野菜と果物が異常に好きである」ことを紹介したい。

中華料理というと、「脂っこい」というイメージがあるかもしれない。確かに、前回紹介したように、生の食べ物をあまり好まず、料理に火を通すことが多いため、油を使った炒め物なども多く、「脂っこい」料理が多いのも事実である。

だが実際に料理として出される物を見ると、野菜がふんだんに使われたものが多いことに気がつく。私の家庭でも、妻の作る炒め物や煮物の料理は、100%といっていいほど、野菜をふんだんに使っている。献立を作る段階で、「今日の料理には何の野菜を使おうか」、と常に考えているようで、しかも、日本のエビフライ定食やとんかつ定食などのように、ちょこっとキャベツが添えられているようなものでは満足できないらしく、野菜を大量に使わないと納得できないようなのである。

チンゲン菜にほうれん草、ブロッコリー、にんにくの芽、ナス、にんじん、ジャガイモ、ごぼう、白菜、キャベツ、大根…。自宅でいつも出される料理を思い浮かべると、よく食べる野菜が次々に目に浮かんでくる。

そのせいかなと思うのが、妻は健康で細身である。中国人女性というと背が高くスラッとしているイメージがあるが、妻は決して背は高くはない。だが、スラッとしている。妻の母親も60歳近くだが、全く太っていない。この理由として考えられるのが、中華料理に野菜が多いことだと勝手に推測している。

野菜だけでなく、果物も好きである。中国にいた時は、りんごを1箱単位で買って食べていたらしい。私もその影響を受けて、結婚してから果物を多く食べるようになってきた。結婚前までは、果物を食べるといっても、ジュースなどに加工されたものを多くとる傾向にあったが、生で食べる果物のほうが美味しいと感じるようになってきた。

会社におやつとしてりんごやキーウィ、グレープフルーツ(キーウィやグレープフルーツはスプーン付き)を持たされることも多く、同僚はその辺をしっかり見ていて、私がりんごを食べるたびにたてる「シャリッ」という音も聞こえているようだ。

(イラスト : ミサイ彩生)