(C)2013「くちづけ」製作委員会

――2週間のタイトスケジュールだったため、出演者の皆さんは自分の出番以外でも現場で撮影を見守っていたそうですね。印象的なシーンはありましたか?

貫地谷さんと竹中さんのシーンは、間近で見たいと思っていたので残って見学することもありました。貫地谷さんは、撮影に入るときの切り替えがすごかったです。田畑さんはピリピリするシーンの前とかも役のことを考えてらっしゃるようでしたけど、貫地谷さんはそれがわかりにくいし、雰囲気としては電気をまとっている感じ。

――橋本さんご自身はそういう面ではどうですか?

その時の状態と、役と現場によります。さっきまで大笑いしているのに大泣きできるときもありますし、ずっと沈んでることもありますし、本当にその場で違いますね。あんまり一貫性がないんです。

――貫地谷さんいわく、映画と同じように橋本さんにかわいがってもらったと。

いやいや、逆ですよ(笑)。本当にお世話になりました。現場の差し入れが結構豪華で、誰よりも早く見つけて、誰よりも早く食べようとしたり。貫地谷さんとか、南役の尾畑美依奈さんとかと一緒になって『あれおいしい!』『これおいしい!』とか盛り上がってました。

――以前、橋本さんのインタビュー記事を読んだ時に、「自分と違う役柄の方が演じやすい」みたいに書いてあったんですが、今はいかがですか?

今思うとただのガキでした(笑)。経験がまだ1年足らずの人が、分かるわけないと思います。でも、わかっているふりして答えちゃうじゃないですか。だから、あんなこと言っちゃうんですよね。でも、その時は本当にそう思ってたので、言ったことは覚えています。だって、自分に近い役をやったことがなかったから(笑)。

――あえて聞きますが、今はどうですか? その後はいろいろな作品に出演してきましたよね。

そうですね。今は影のある役に限らず、いろいろな役をやらせてもらってて。結局役というよりも作品なんだと思うようになりました。

――橋本さんが出演した映画を数えてみたら、公開順で言うと今回の映画が15本目なんですよね。今年はデビュー5年目ですが、これまでを振り返っていかがですか。

最近、後ろを向くというのをあまりしてこなかったので、今向いてみたら…なんかモゾモゾしてきちゃいました(笑)。ひたすら走ってきたわけでもないですし、ゆるゆる歩いてきて今がある感じです。

――以前もやっていたと思いますが、4月からブログをはじめましたね。何かきっかけや心境の変化があったのでしょうか。

写真を撮るのが好きで、今までずっとためてたんです。記憶がなくならないように、日記はつけています。食べた物とかどんな仕事をしたとか、出来事ぐらいしか書いてないんですけど、だから日記は間に合ってるんですよね。写真はフィルムのカメラで撮っています。仕事の現場には持っていかなくて、友達と遊ぶときに持って行っています。人とか生き物を撮るのが好きなんです。

ツイッターをやる意味が分からなくて、なんでつぶやくのか、なんで自分の思いをみんなに伝える必要があるのかって思ってたんですけど、返って来なくてもいいから見てほしいものがあるんだなって思うようになって、その感覚をまねしてブログをやっています。コメントも読みます。どういう人が私を知っているのかに興味があって、私のために時間を割いてくれるのはどんな人なんだろうかとか。結構、印象がバラバラで面白かったです。

――さて、最後にメッセージを。

たくさんの人が見ないと作った意味がないと思います。この映画を見て考えて行動に移してくれる方が1人でも生まれてくれれば、本当にこの映画に出演してよかったと思います。