日本銀行は22日、金融政策決定会合を開催し、当面の金融市場調節方針を決定した。同会合では、4月に導入した金融政策「量的・質的金融緩和」の継続を政策委員9人(総裁1人、副総裁2人、審議委員6人)の全員一致で決定した。

マネタリーベースに関しては、年間約60~70兆円相当のペースで増加するよう金融市場調節を行うことを明記した。

資産の買入れについては、長期国債の保有残高が年間約50兆円に当たるペースで増加し、平均残存期間が7年程度となるよう買入れを継続。ETFおよびJ-REITについては、保有残高がそれぞれ年間約1兆円、年間約300億円に相当するペースで増加するよう買入れを続ける。CP等、社債等については、2013年度末にそれぞれ2.2兆円、3.2兆円の残高まで買入れた後、その残高を維持する。

景気判断については、前回(4月)の「下げ止まっており、持ち直しに向かう動きもみられている」から「持ち直しつつある」とし、2013年1月以降、5カ月連続で上方修正した。一方、先行きについては、前月までの「緩やかな回復経路に復していくと考えられる」に判断を据え置いた。

輸出については、海外経済が徐々に持ち直しに向かっていることから「下げ止まっている」と判断。設備投資については、「全体としても下げ止まりつつある」としたほか、住宅投資も「持ち直し傾向にある」との見方を示した。個人消費については、「底堅さを増している」とし、このような内外需要を反映して、鉄工業生産を「持ち直しに向かう動きが明確になりつつある」と判断した。

消費者物価(生鮮食品除く)については、「前年比は、前年のエネルギー関連や耐久消費財の動きの反動から、マイナスとなっている。予想物価上昇率については、上昇を示唆する指標がみられる」に表現を据え置いた。先行きは、「前年比は、当面、マイナス幅を縮小したあと、次第にプラスに転じていくとみられる」とした。

一方、リスク要因として、欧州債務問題の今後の展開、米国経済および新興国・資源国経済の成長力などを挙げ、「日本経済をめぐる不確実性は引き続き大きい」と分析している。