エルメス財団はメゾンエルメス8階フォーラム(東京都中央区)で、5月17日から8月18日まで「『ウルの牡山羊』シガリット・ランダウ展」を開催する。
シガリット・ランダウは、現在テルアビブを拠点に活動するイスラエル人アーティスト。生と死、肉体、人々との関わり合いなど、常に「痛み」を伴ってきた自国の歴史を反映した作品を発表している。日本では、2011年の横浜トリエンナーレで、西瓜(すいか)とともに死海を漂うビデオ作品と、死海の塩を結晶化させた彫刻を発表した。
イスラエルの歴史や生活も描写
このほど、日本で初となる個展を開催。フォーラムにおいても初めての試みとなる、大規模なビデオ・プロジェクションによる作品を展開する。「Out in the Thicket 茂みの中へ」では4台のプロジェクターを使用し、天井の高い空間を生かしてオリーブの森を表現。作品の撮影は、イスラエル南部のネゲブ砂漠にあるオリーブ園で行われたという。
また、50年代イスラエルの典型的な居住空間を出現させ、そこに住んでいたであろう人の生活をイメージさせる作品も発表。台所のコンロから、4人の女性のおしゃべりが聞こえてくるという工夫も施されている。イスラエルに50年代に移住してきた人々の「家」を象徴的に見せながら、この土地の歴史や作家のパーソナルな秘密を浮かびあがってくる作品となっている。
同展は、会期中の月~土曜日は11時~20時(最終入場19時30分)、日曜は11時~19時(最終入場18時30分)まで開催。会期中無休。入場無料。