相変わらずネット上やオークションで不動の人気のエラーコインですが、なかには偽造した変造コインなどもあり、素人目には判定がなかなか難しいところ。そこで、コイン判定に詳しい新橋スタンプ商会の寺田さんにどんなコインにどの位の価値があるのかを尋ねてみました。

■人気は穴なしコイン

自動販売機は硬貨の重量や大きさによって選別を行います。そのため、穴がふさがった穴なしコインはふさがっているぶんだけ重量があり選別段階ではじきだされてしまうために最も流通し難いそうです。

しかし、昭和50年代の50円硬貨に限りこの穴なしが結構多く出回っているため、ほかの50年以外の穴なしコインに比べれば価値は低いそうですが、手に入れやすいコインといえます。

■昭和62年の穴なし50円は超高価

昭和62年の50円硬貨は流通不発行といって、造幣局が50円硬貨を一般流通用に製造しなかった年です。しかし、貨幣セットとしては生産されおり、まれに流通していることがあるそうです。昭和62年ものの50円硬貨でさらに穴なしであれば、貴重な超レアもの。価値にすると50万円以上の高値で落札されるそうです。

■平成22年~24年の5円、50円玉硬貨も価値あり

平成22年~の5円玉と50円玉も流通不発行の年で製造されていません。やはり貨幣セットとして出回っているそうですが、昭和62年の50円玉ほどの価値はなく、10分の1程度。

とはいえ貴重なものに変わりはありません。ちなみに、穴なし硬貨であれば昭和50年製を除くと、1硬貨につき20万~30万円の価値があるそうです。

■にせものか本物かを見分けるのは3つの突起

穴なしの50円玉は後から穴をうめ人工的に加工した変造硬貨にだまされることがあるそうですが、これの見分け方はふさがっている部分に3つの盛り上がった突起があるかないかだそうです。これは刻印時の硬貨の型によってできたもので、これがないものは偽物と判断できるんですね。

■エラーコインは近年に製造されたものほど価値がある。

エラーコインは古いものほど造幣技術が未熟だったために多く存在するそうですが、近年になってからは技術の精度が高まっているために希少で、オークションでも高値で取引されます。

■比較的みつけやすいのは角度ずれエラー

角度ズレエラーとは硬貨の表の模様に対して裏面が正しい位置に刻印されていないものです。刻印のズレ幅が大きいほど価値があり、10円硬貨に多く存在します。

昭和40年代位までの硬貨によくみられ、丹念に探してみるとみつかることがあります。近年の硬貨ほど価値が高く、高いものでは1万円程度で取引されるそうです。

■エラーコイン豆知識

・穴ずれコイン
穴が空いている5円玉や50円玉の穴がずれて製造されてしまったコインのことです。ズレ幅が大きいほど価値があります。

・穴なしコイン
これも穴が空いているコインに限られ、穴が鋳造ミスによってふさがっている状態のものをいいます。

・角度ずれコイン
表面の模様に対して裏面の模様が正常な位置にないもの。角度のズレ幅が大きいほど価値があります。

・刻印ずれコイン
硬貨や紙幣の模様がずれてプレスされてしまったもの。ズレ幅が大きいほど価値があります。昭和初期のものに多くみられます。

・影打ちエラーコイン
製造時に一度プレスした硬貨の上に別の硬貨が重なって刻印され、両面が同じ模様になってしまったもの。10円玉などにみられます。

・裏写りエラーコイン
裏の模様または表の模様が重なって刻印されているもの。10円の刻印の上に平等院が重なるように刻印されていたりします。

・ヘゲエラー
硬貨にめくれがあったり、とけた金属の塊がくっついていたりする硬貨の不良品です。珍品であるにも関わらず、見た目が悪いためにコレクターには人気がありません。