第一局 阿部光瑠 四段 VS 習甦

3月23日 第一局 阿部光瑠 四段 VS 習甦

阿部光瑠四段:「電王戦への出場が決まり、この日を迎えるまで本当にあっという間でしたが、ただできることだけをやってきたという感じです。1日1日がすごく早かった……自分に関しては今は何も言えないです」

習甦開発者・竹内章氏:「(将棋会館の)特別対局室で非常に緊張しながら、阿部先生に完敗したのがちょうど四週間前。それから密度の濃い1カ月でしたが、非常に反響が大きく、これまでコンピュータ将棋に興味がなかった人にも注目していただけたこともあり、意義深いイベントだったと思います」

第二局 佐藤慎一 四段 VS Ponanza

3月30日 第二局 佐藤慎一 四段 VS Ponanza

佐藤慎一四段:「自分の将棋は残念ですし、この5局も非常に残念な結果となりました。結果はそうとして、1人1人が改めて将棋と向き合い、何十日間という日々を過ごしてきました。(今回の結果に対して)すごくはげましてくれる方がたくさんいて、あまり将棋に興味がなかった人たちにもアピールでき、将棋を見ていただけたのはよかったと思っています」

ponanza開発者・山本一成氏:「自分たちの作った将棋プログラムでプロ棋士の方々と将棋が指せる――そんなことがあるのかと思っていましたが、実際に指して戦っているというこの1カ月は、本当に夢のような日々でした。戦った棋士の方々の生き様というのは言いすぎかもしれませんが、戦っている人間の姿が見えてくる。船江先生がおっしゃっていましたが、"コンピュータと戦うことは自分を写す鏡だ"という言葉にはなるほどと思い、"人間を見せつける"というドラマがたくさんあったと思います。楽しかったです」

第三局 船江恒平 五段 VS ツツカナ

4月6日 第三局 船江恒平 五段 VS ツツカナ

船江恒平五段:「結果は残念でしたが、自分にとっては非常に大きな経験になりました。始まる前から"将棋ソフトは鏡だ"と思っておりまして、自分の力がどれぐらい出せるのかということを常に考え、ツツカナと指したことで、自分の良いところ、悪いところが非常に鮮明にわかりました。一局指すだけで、それを私にわからせてくれたツツカナは本当にすごい。ソフト製作者の皆さまのおかげで、多くの方々に(将棋に)興味を持っていただけたので、製作者の方々にはお礼申し上げます。ありがとうございました」

ツツカナ開発者・一丸貴則氏:「私は口下手なので、先に結論だけ言います。とても楽しかったです。この半年間、電王戦に向けてがんばってきましたが、プロ棋士と指せるという喜び、憧れを抱えながらも、はたして自分のプログラムがプロ棋士に通用するのだろうか、という苦悩もたくさんありました。その中でお互いの力が出しきれるようにさまざまなことを考え、それが最終的に熱戦へと繋がり、本当にうれしかったです」……続きを読む