そして、eBookJapanのサイトではME172Vに特定のコミック作品の全巻セットをバンドルして販売することも発表された。『手塚治虫全集(全400巻)』+ME172V(103,050円)、『島耕作シリーズセット(全73巻)』+ME172V(42,040円)、『梶原一騎セット(全64巻)』+ME172V(34,031円)など25種のセットを用意し、他にもあしたのジョー(全20巻)、巨人の星(全19巻)、新巨人の星(全11巻)、タイガーマスク(全14巻)といった名作コミックをまとめて楽しめ、個別に購入する場合と比べると約1万円~4万円ほどもお買い得なセットとなる。

縦横表示にしたところ

ブラウザを起動すると、最初にeBookJapanのサイトが表示される

豊富なアプリケーション群

ロック解除はフリックで行う。ロック解除時左にスライドさせるとインカメラモードへ

初期設定画面。Wi-FiやGoogleアカウント、日付の設定などを行う

また、発表会には『ダッシュ勝平』や『F-エフ-』などの作品を手がけた六田登氏が登壇し、ME172Vのみで楽しめる『老人と海』について語った。1年ほど前に依頼を受けたという六田氏は「作品の判型を決める際、従来の雑誌サイズではいちいちズームアップがわずらわしく、せっかくの優れた機能が活かされない」と話し、当初から7型タブレットサイズを前提として描き下ろしたことを明かした。また、ME172Vについて「初期の端末では不満があったが、現在はパフォーマンスが大幅に向上し、液晶の再現性も見事。表示のストレスもない」と絶賛し、「今後、紙でページをめくる楽しみは、指でスライドする楽しさに変わっていくかもしれない」と期待感を示している。

漫画家の六田登氏

ME172Vには六田氏のフルカラー描き下ろし作品『老人と海』(40ページ)がプリインストールされる

発表会の最後に小出氏から話を伺うことができたので、その模様をお伝えしよう。

――当初、新タブレットの発売は昨年12月を予定していましたが、今回遅れた一番の理由について

小出氏:実は以前10月に発表した新タブレットについては無期延期となりました。当社でも様々な取り組みを行ってきましたが、力不足なところもあり、今回グローバルメーカーであるASUSさんと新たなタブレットを開発することができました。

――今後は雑誌タイトルなどを考え、10インチ端末などの発売も予定していますか?

小出氏:当社としてはお客様が望まれるサイズ、ニーズに応えていきたいと思っています。今後10インチのものが出回ってくれば、それにも対応していきます。

――ほかのモバイル端末を扱うメーカーとコラボレーションする可能性は?

小出氏:現状では何ともお答えできませんが、今回ASUSさんと一緒にやらせていただいたので、今後も取り組みを広げていきたいと思っています。

――今後の「全巻セット」の第2弾はいつ頃になりますか?

小出氏:第1弾から発売1カ月の動向をみながら、スケジュールを決めていきたいと思います。

――今回、六田先生の『老人と海』を選んだ理由について

小出氏:タブレットの世界にいち早く目覚められて、さらに新しいタイプのコンテンツを世に問うという六田先生に、今回お願いすることになりました。また、先生がヘミングウェイの作品に感動したという話を伺って、全面的に賛成させていただきました。

――今後、他社の端末とどう差別化していくのか?

小出氏:これまで漫画を主力に取り組んできたほか、ほかの電子書店さんを牽引してきたという自負がありますので、今後は漫画以外の取り組みも模索していきたいと思います。