マクドナルドが朝マックのメニューを無料で試せる「フリーマンデー」キャンペーンを実施したり、モスバーガーが朝食メニューの刷新と新メニューの実験導入を行うなど、ファストフードが朝食メニューを強化する動きが目立っている。その理由をモスバーガーを展開するモスフードサービスに聞いた。

2月末、新朝食メニューの実験販売を開始したモスバーガー

モスバーガーではこのほど、直営20店舗と販売子会社経営29店舗の合わせて49店舗で、朝食専用のホットサンドや温麺(うーめん)、ライスバーガーなどの新商品を中心とした11メニューを「おはよう朝モス」として実験販売を開始。こうした朝食メニューへの取り組みは、2009年10月に全店で朝食時間帯限定セット(モーニングサービス)の導入から始まっており、以来好調な販売を続けているという。加えて、2010年頃より朝食専用メニューの導入や開店時間を早める店舗を増やすなど、朝食時間帯の販売強化を推進してきたとのこと。

「おはよう朝モス」の実験メニューの1つ「モスの朝ライスバーガー 朝御膳」380円

モスフードサービスの広報に理由を尋ねたところ「社会の流れが朝方にシフトしていると感じており、節電のためサマータイム導入が各所で実施された震災以降はその傾向が強まっている」という。朝の利用者が多い地域の利便性を考え、開店時間を早めたり朝食メニューを導入したりしているという。また、マクドナルドの例を挙げて他店を意識しているのかと質問したところ、「ハンバーガーショップに限らず、牛丼店なども含めたファストフード業界全体が朝食メニューを提供するようになっている」との回答であった。

サマータイムについてはさまざまな意見が飛び交いつつ、一部の企業や自治体単位での導入となったが、少なからず朝方へのシフトを余儀なくされた人々がいるはず。そうした社会情勢を考慮した朝食メニューの強化ということなのだろう。となると、桜の開花も始まっていない今の時期は前哨戦で、朝食メニュー商戦が激化するのは夏を迎える頃なのかもしれない。