静岡県浜松市の三ヶ日町農業協同組合(JAみっかび)では、職場で「置き菓子」ならぬ「置きみかん」をする取り組み「オフィスみかん」の提案を行っている。

オフィスで「オフィスみかん」を囲んでいるところ(写真はイメージ)

浜松市は全国有数のみかんの産地。日照量が多く、降水量が少なく、また水はけのよい土壌を持つ三ヶ日町はみかんの生産地として理想的といい、「三ヶ日みかん」の名前で知られている。現在、この三ヶ日みかんを活用したオフィスみかんへの取り組みが進んでいる。

仕事中にみかんでリフレッシュ

オフィスみかんとは、オフィスのデスクの近くや会議室、休憩室などにみかんを置いて、小腹がすいたときやリフレッシュタイムにお菓子の代わりに食べようという運動。忙しい日々の中で健康によい果物を上手にとりいれるための「食べるシーン」の提案とのことだ。シニア野菜ソムリエの武田由季さんが提唱し、武田さんが代表取締役を務めるキャトルセゾンの商標登録となっている。

同JAでは3年ほど前から準備を進め、2012年度産のみかんから試験的に企業への営業活動をスタートした。「みかんの香りに癒やされ、水分や糖分・ビタミンCなども補給できて、その後のお仕事もきっとはかどる」とのこと。また応用として、会議のときに1人に1個ずつ配布して「会議みかん」とし、「話が滞ったときに食べると、リフレッシュできてスムーズに進行するかも」との提案もしている。

「オフィスみかん」専用箱

オフィスみかんは専用のデザインの箱にみかんが詰められ、産地から直送される。導入した企業からは、「自分でむいて食べられるのがいい」「あれば食べる」「見た目もかわいくてよい」など好評だという。

最新の機械と人の手で選果された高品質な三ヶ日みかん

JAみっかびでは、生産者が高品質のみかん作りに専念できるようにと「JAみっかび柑橘選果場」を運営している。光センサーでみかんの糖や酸の数値を測定、外観カメラで大きさが計測され、大きさと味による等級で分けられ出荷される。オフィスみかんに採用されているのは、オフィスでも手にとりやすい大きすぎないMサイズで等級も良・優・秀のうち優か秀のものが選ばれているという。

みかんの大きさと味が一つひとつ評価される「JAみっかび柑橘選果場」

選果場では、人と機械の両方で選果が行われている

同JAでは、このオフィスみかんを企業に社員の健康維持の福利厚生としても利用してほしいとしている。2月には企業の福利厚生サービスと連携して、企業100社にサンプルを送るという。

担当の同JAの河西利重主任は「新しい流通の機会」としてオフィスみかんに期待を寄せており、「若いOLやサラリーマンはわざわざダンボールでみかんを買うという機会はあまりないと思います。オフィスの中で三ヶ日みかんを知ってもらって、家庭を持ったときに子どもといっしょに食べるようになっていただければ」と話した。

価格は1ケース5kgで3,000円(価格は2013年度産のもの。年度によって変動あり)+送料。問い合わせは同JAまで。