歴史エンタテインメント専門ヒストリーチャンネルでは、2013年2月2日(土)22:00(※2日は先行プレミアム放送)よりオリジナル制作シリーズ『未来キュレーション~ムーブメントメーカーたち~』を放送する。
第2回放送は2月8日(金)22:30開始となり、以降毎週金曜日22:30から放送。MCはジャーナリストの津田大介氏が担当し、放送は全12回を予定している。番組では津田氏が毎回さまざまなジャンルで先進的な取り組みを続けるゲストに「10年後、あなたは何をしていたいですか?」という質問を投げかけて、ゲストと日本の未来を占っていく。出演予定のゲストはドワンゴ会長の川上量生氏や俳優の伊勢谷友介氏、チームラボ代表の猪子寿之氏など。また、今後は建築家やデザイナー、舞踏家、哲学者、作曲家・音楽家など幅広いジャンルからゲストを招く予定だ。
今回、すでに第1回のゲストであるドワンゴ川上量生会長との収録を終えた津田氏に番組についてインタビューする機会を得ることができた。番組を通して伝えたいことや、津田氏自身の過去と未来、そしてメディアと日本の行く末についてじっくりとお話を伺った。
――すでに第1回目の収録を終えたとのことですが、どういったお話をされたのでしょう
津田:「今回の番組趣旨としては、"10年後・20年後の未来にあなたはどういうことをしていたいですか"という話を聞くわけですが、それ以外にも川上さんの来歴だったり、人生のポイントでどういう決断をしてきたのかというようなことを話しました。スタジオジブリに見習いとして入って、そこでコンテンツの本質がわかったというような話です。そこはすごく深い話になったので、たぶん使われていると思うのですが(笑)。最終的には人はなぜ生きるのか、みたいな哲学的な話になりましたね」
――そもそも今回の番組MCを請けたのは?
津田:「まず企画の意図が面白そうだったこと。それにぼくはライター生活が長くて、インタビューが好きなんですよ。司会業も多いのですが、あれも司会というよりは複数の人に同時にインタビューしているという意識なんです。今回もMCというよりはインタビューできるということで、いいなと思いました」
――今後のゲストはこれから決まっていくとのことですが、ゲストの選定は津田さんがなさっているのでしょうか?
津田:「こういう人もいいんじゃないですかという提案はしていますね。ゲストで呼んでいる人ってすごい方ばかりなんですよ。ぼくはクレイジーな人が好きで、そういう人の発想が自分の糧になったりするんです。番組が面白いのはもちろん、そういう話を聞いて何かを考えるきっかけにしてもらいたいですね」
――どんなジャンルの方のお話を聞いてみたいですか?
津田:「環境をつくるクリエイターですね。例えばドワンゴの川上さんはニコニコ動画という環境を作った人。仕組みや環境など枠組みを作っている人にお話を聞くのが楽しいです。ぼく自身もそういうものを作ろうと思っているので、対談から得られたヒントを生かしていきたいですね」
――では、津田さんが作ろうとしているものとは何でしょう?
津田:「今年はネット政治メディアとか、みんながちゃんと集まれるコミュニティとかを作りたいと思っています。自民党がこれだけ大勝した中で、ネットと政治の距離がどうなっていくのかについては関心を持っています」
――ネットと政治といえば、先日のアメリカ大統領選挙ではニコニコ生放送で特番が組まれ、津田さんが司会を務められましたね。駐日アメリカ合衆国大使館主導で実現した企画というところに驚きました。
津田:「あれも今までは考えられなかったことですよね。安倍さんが選挙前に『党首討論をニコ生で』と言う時代ですからね。そういう意味ではかなり変わってきたと思います。情報公開が増えるほどネットと政治の距離は近くなっていくと思うので、選挙におけるネット規制なんてくだらないことはやめればいいと思うし、候補者の誰に入れるのかを自分で考える環境を作っていくことが大事だと思いますね」
――番組ではゲストの過去と未来に焦点を当ててトークしていくということですが、津田さん自身の過去と未来についてはどうお考えでしょうか。例えば10年後、こうしていたいなど
津田:「ぼく自身、本業は何ですかと聞かれることが多いのですが、最初はPC系のライターからスタートして、2、3年ごとにやることを変えてきているんです。1997年にライターになって1999年に編プロを作り、2002年ごろからはブログを始めて……という感じです。その後、評論家・ジャーナリストになって今に至ります。そう考えると、今年で40歳になるので、働けるのがあと20年くらい。2、3年で変わってきたことを考えると、あとやれることって10個だなと思うんですよ。10年後にどうしていたいというのはないのですが、生きているうちにやれることをどうしようかというのは考えていますね」……続きを読む