お正月に食べる「おせち料理」。最近はデパ地下や街のスーパーなどで購入する人も多くなり、昔のように家で作るという人が減っているそうです。さて、このおせち料理ですが、一から作ると材料などはどれくらいの費用がかかるのでしょうか? 調べてみました。
安い材料と高い材料の差がくっきり
主なおせち料理の材料をピックアップし、材料費を調べてみました。材料は約3~4人分です。また、金額はスーパーやインターネットなど、一般的な購入手段で買った場合の値段です。
黒豆
1年間マメ(豆)に働けますようにと、無病息災を願って食べるおせち料理。
【材料】
黒豆……300g、醤油……小さじ2、砂糖……600g、塩……小さじ1、水……1,000cc
乾燥黒豆……約500円
調味料等……約94.5円(醤油:約3円、砂糖:約90円、塩:約1.5円)
乾燥黒豆は、高級品でなければ300gで500円ほどで購入することができます。もちろん、これ以下、これ以上の価格の商品もあります。調味料は砂糖の分量は多いですが、100円未満で収まります。
田作り(ごまめ)
イワシを田の肥料としたところ五万俵ものコメが収穫できた、という逸話が由来となっているおせち料理です。五穀豊穣を願うものです。
【材料】
カタクチイワシ……50g、砂糖……大さじ1と1/2、醤油……小さじ2、みりん……小さじ2、料理酒……小さじ1/2、白いりごま……少々
カタクチイワシ……約150円
調味料等……約10円(砂糖:約3円、醤油:約3円、みりん:約3.2円、料理酒:約0.8円)
ごま……約1.5円
カタクチイワシは100gで200円~300円あたりで購入することができます。調味料もそこまで大きく費用がかかるわけではないようです。
伊達巻
巻物に形が似ていることから、学問や教養の成長を願って食べるおせち料理です。
【材料】
卵……6個、はんぺん……1枚、砂糖……大さじ3、みりん……大さじ2、料理酒……大さじ2、薄口醤油……大さじ1、油……少々、塩……少々
卵……約120円
はんぺん……約100円
調味料等……約21円(砂糖:約7円、みりん:約5円、料理酒:約3.8円、薄口醤油:約4.5円、油……約0.3円、塩……約0.4円)
卵は高級品を買ったり、特売で買ったりすることで値段が大きく変わります。
カズノコ
五穀豊穣と子孫繁栄を願ったおせち料理です。
【材料】
塩数の子……10本、酒……150ml、薄口醤油……大さじ1、出汁……150ml
塩数の子……約2,000円
調味料等……約166.5円(酒……約150円、薄口醤油:約4.5円、出汁(かつお節分)……約12円)
やはり塩数の子が高く、形が揃っているものなら2,000円以上はします。
栗きんとん(かち栗)
栗きんとんは「金銀財宝」を意味しており、金運を願って食べる料理です。
【材料】
さつまいも……1本、栗甘露煮……8個、シロップ……1/2カップ、砂糖……100g、みりん……大さじ2
さつまいも……約100円(200g~300g)
栗甘露煮……約300円
シロップ等……約35円(シロップ:約15円(栗甘露煮のシロップを使う場合0円)、砂糖:約15円、みりん:約5円)
栗きんとんは、栗甘露煮の価格が少々高くなりがちです。シロップをうまく使うことで、わずかですがコストが下がるようです。
たたき牛蒡
たたき牛蒡は豊作と無病息災を願って食べるおせち料理です。
【材料】
ごぼう……1本、白ごま……大さじ4、砂糖……小さじ2/3、酢……大さじ1と1/2、薄口醤油……小さじ1
ごぼう……約120円
白ごま……約20円
調味料等……約9.4円(砂糖:約0.7円、酢:約7.2円、薄口醤油:約1.5円)
まずは、以上のおせち料理のコストを総計してみましょう。
黒豆……約594.5円
田作り……約161.5円
伊達巻……約241円
カズノコ……約2,166.5円
栗きんとん……約435円
たたき牛蒡……約149.4円
合計……約3,747.9円
カズノコのコストが大きいですが、現段階で4,000円近い費用がかかります。しかしまだ折り返し。おせち料理はまだまだあります。
魚介類の焼き物は高い!
紅白なます
お祝いなどに使う水引を形どったもので、紅は喜び、白は神聖なものを意味するそうです。
【材料】
大根……1/4本(250g)、人参……1/2本(50g)、砂糖……大さじ1、酢…… 大さじ1と1/2、水……大さじ1、塩……少々
大根……約40円
人参……約50円
調味料等……約15.1円(砂糖:約7.5円、酢:約7.2円、塩……約0.4円)
野菜は安く、紅白なますも100円ほどの予算で作れるようですね。
紅白かまぼこ
なますと同じく、紅は喜び、白は神聖なものを意味し、縁起がいいことを理由に食べられるお正月料理です。
【材料】
紅白かまぼこ……2本セット
紅白かまぼこ……約800円
紅白かまぼこは紅白の2本セットで大体500円~1,000円ほどで買えます。高級品だと1本2,000円もするかまぼこもあるそうですよ。
昆布巻き
昆布巻きは「喜ぶ」の語呂合わせのおせち料理です。
【材料】
みがきニシン……4本、昆布……3本、かんぴょう……2メートルほど、出汁……7カップ、酒……50ml、酢……大さじ1/2、砂糖……大さじ4、みりん……大さじ3、醤油……大さじ3
みがきニシン……約400円
昆布……約200円
かんぴょう……約80円
調味料等……約106.4円(酒……約50円、酢……5.4円、砂糖:約30円、みりん:約7.5円、醤油……約13.5円)
ニシンと昆布で約600円。この2つの材料が高いようです。
鯛の焼き物
昔から鯛は「めでたい」ということでお祝いの席で食べられてきました。おせち料理でも同じ意味で食べられます。
鯛の価格は一般的なおせちで使われるサイズだと1,000円~3,000円で購入できます。ここでは間をとって2,000円としましょう。
海老の焼き物(煮物)
海老は長寿を意味する縁起物であるという意味から、おめでたい物として食べられます。
一般的には車海老が多いようです。車海老は20gが4匹でだいたい1000円ほど。
では、紅白なますから海老の焼き物までの価格を合計してみましょう。
紅白なます……約105.1円
紅白かまぼこ……約800円
昆布巻き……約786.4円
鯛の焼き物……約2,000円
海老の焼き物……約1,000円
合計……約4,691.5円
これに黒豆からたたき牛蒡までのコストを足すと……
- 3747.9+4691.5=8439.4円
おせち料理を作るには、材料費だけで約8439.4円が必要になります。もちろん、材料に凝ったりすれば費用はどんどん高くなります。作る人の手間も無視できませんよね。
材料費もそこそこかかりますし、手間がかかる料理も多いですから、既製品を買って済ますというのもわかる気がしますね。ただ、やはりおせち料理には家庭の味が反映されるもの。母親や祖母の「おせち料理の味」は大切にしたいですね。
(貫井康徳@dcp)