日本生産性本部はこのほど、「2012年度 新入社員 秋の意識調査」の結果を発表した。同調査は、同財団法人が2012年春・秋に実施した新入社員教育プログラム等への参加者を対象に行ったもの。調査期間は10月~11月、有効回答数は340名。
それによると、秋の時点で「今の会社に一生勤めようと思っている」と答えた割合は30.6%で、今年春の60.1%より29.5ポイントも減少し、1997年以来最大の落差を記録。また、毎年春の新入社員意識調査と比べたところ、1997年以来16年間連続して秋の数値が春の数値を下回ることもわかった。
一方、「きっかけ、チャンスがあれば転職してもよい」は42.3%(2012年春26.6%)、「現在、ぜひ転職したい」は4.5%(同0.3%)、「いずれでもない・わからない」は22.6%(13.0%)だった。「きっかけ、チャンスさえあれば転職してもかまわない」「現在、ぜひ転職したい」理由としては、「現在の仕事に楽しさややりがいをあまり感じないから」「年功序列が崩壊した今、一つの会社に勤め続ける意味がない」などの意見が寄せられた。
入社までに描いていたイメージと現在(配属後)の状況を比較してもらったところ、「上司・先輩の指導育成」に対し、「期待以上」とした人は31.0%で、2007年以来最も高かった。
「細かいことは下に任せ、上に立つもの(上司)はいつも大きな目で仕事を見ていてほしい」との設問に対し、「そう思う」を選んだ割合は62.5%で、2003年以来最多の結果に。また、「仕事の進め方」に関する2者択一の設問において、「仕事の内容がはっきりと決められていて、お互いに余計な口出しをしないですむ職場」と回答した人は44.5%となり、直近10年間の中で2番目に多かった。
転職について自身の考えに近いものを選択する設問において、「自分には仕事を通じてかなえたい『夢』がある」と答えた割合は50.7%で、2012年春の70.5%から19.8ポイント減少し、落差数値が1991年の調査開始以来最大となった。
「海外勤務のチャンスがあれば応じたい」との設問に対し、49.9%が「そう思う」と回答。その理由については、「視野を広げたい」が42.6%で最も多く、以下、「国内では経験できない仕事に挑戦したい」が23.7%、「海外で生活してみたい」が11.8%、「キャリア形成に役立たせたい」が10.7%、「語学力を活かしたい」が6.5%と続いた。
仕事以外の時間を使って、社会貢献活動(ボランティア・地域活動など)を行ったことがあるか尋ねたところ、「行ったことがない」は81.9%。一方、「行ったことがある」は16.6%、「今現在行っている」は1.5%にとどまった。