調査事業や、情報事業などを行っている「東京商工リサーチ」は、2012年11月の「東日本大震災」関連倒産に関する調査結果(速報値)を実施。その結果、関連倒産は震災発生から1年9カ月目で、累計1,000件(11月30日現在)に達していることがわかった。これは、1995年に起こった「阪神・淡路大震災」の4.4倍の数である。
11月の「東日本大震災」関連の倒産件数は38件、負債総額は932億4400万円だった。
1995年の「阪神・淡路大震災」では、発生から1年9カ月目の累計が件数226件、負債総額1656億7700万円だったのに対し、今回の東日本大震災は、件数が同時期の4.4倍、負債総額が8.1倍となり、その影響の大きさを浮き彫りにした。
このほか、事業停止や破産準備などの「実質破綻」が33件あり、震災関連の経営破綻(倒産+実質破綻)は累計1,033件(11月30日現在)となっている。
また、産業別では、製造業が248件(構成比24.8%)で最も多く、次に宿泊業・飲食店などを含むサービス業他が238件、卸売業186件、建設業146件、小売業77件、運輸業40件と続く。
「阪神・淡路大震災」では、発生から1年9カ月目までに産業別で最も多かったのは、「卸売業」の78件。次に「製造業」77件、「建設業」23件、「サービス業」他が18件の順だった。特に、兵庫県内の地場産業である「ケミカルシューズ(合成皮革を用いた靴)業者」の多くが被災したことで、靴関連業の倒産が目立つなど業種にも特色がみられた。これに対し「東日本大震災」では、広範囲の業種に影響が飛び火している。
さらに、「東日本大震災」関連倒産1,000件の地区別を見てみると、関東が490件(構成比49.0%)で最も多い。
次いで、東北158件、中部80件、九州74件、北海道68件、近畿64件、北陸40件、中国14件、四国12件の順になった。
被害型では、取引先・受注キャンセル、消費自粛などが影響した「間接型」が928件(構成比92.8%)であるのに対し、施設・設備等の直接損壊や人的被害を受けた「直接型」は、72件(構成比7.2%)にとどまっている。
同社では、「『直接型』が少ないのは、未曾有(みぞう)の災害で休業や事業停止のまま、今後の方針が定まらない企業が相当数あることも影響しているとみられる」と分析している。
なお、詳細な調査結果は、同社サイト内「データを読む」から見ることができる。