帝国データバンクは19日、全国の私立大学482校に関する経営実態調査の結果を発表した。同調査は、全国の私立大学605校のうち、同社企業概要データベース「COSMOS2」から抽出された学校法人の私立大学482校(短期大学を除く)について分析したもの。

それによると、2011年度の収入高(452校)について規模別に見た場合、「10億~50億未満」が最も多く207校(45.8%)。次いで、「50億~100億円未満」が106校(23.5%)、「100億~500億円未満」が95校(21.0%校)、「500~1,000億円未満」が19校(4.2%)となった。また、「1,000億円」を超えたのは6校(1.3%)で、内訳は創立「50~100年未満」が3校、「100年以上」が3校だった。

創立別に見ると、創立「100年以上」は141校(31.2%)で3割以上。一方、「10年未満」の大学は6校(1.3%)にとどまった。また、創立10年未満で収入高「10億~50億円未満」の大学が1校存在したのに対し、創立100年以上で「10億円未満」となった大学も2校あった。

2009年度~2011年度の増収・減収を比較したところ、「2009年度~2010年度」には減収の大学が215校(47.6%)だったのに対し、「2010年度~2011年度」には227校(50.2%)に増加。半数の大学が減収となったことが分かった。

損益が判明している359校について見ると、2011年度の黒字大学は213校(59.3%)、赤字大学は146校(40.7%)となった。2009年度~2011年度の3期間に関しては、赤字大学146校のうち、「3期連続赤字」は6割弱の86校(58.9%)、「2期連続赤字」は15校(10.3%)、2011年度に「赤字転落」となったのは45校(12.5%)だった。また、「創立100年以上」の大学でも17校が「3期連続赤字」を計上したことが判明した。

赤字大学の内訳

地域別の大学数について調べたところ、最も多かったのは「関東」で187校(38.8%)。以下、「近畿」が97校(20.1%)、「中部」が61校(12.7%)、「九州」が45校(9.3%)、「東北」が25校(5.2%)、「中国」が23校(4.8%)、「北陸」が20校(4.1%)、「北海道」が18校(3.7%)、「四国」が6校(1.2%)と続いた。この結果から、関東、近畿、中部地域の大学が345校(71.6%)となり、全体の7割強を占めること分かった。