俳優の阿部寛、お笑い芸人の村上ショージ、女優の石原さとみらが8日、東京・TOHOシネマズ六本木で行われた、映画『カラスの親指』の完成披露試写会に出席した。
左から、道尾秀介、小柳友、石原さとみ、阿部寛、村上ショージ、鶴見辰吾、伊藤匡史監督、古坂大魔王 拡大画像を見る |
映画『カラスの親指』は、直木賞作家・道尾秀介の同名小説を映画化した作品で、サギ師である5人の"カラス"たちの大勝負を描くミステリー。悲しい過去を背負ってサギ師になったタケ(阿部)と新米サギ師のテツ(村上)のコンビのもとに、ひょんな事から、自由奔放なやひろ(石原)とその妹・まひろ(能年玲奈)、やひろの恋人・貫太郎(小柳友)が転がり込み、奇妙な5人暮らしが始まる。穏やかな日々を過ごす5人だったが、タケの暗い過去の事件をきっかけに、それぞれの思いを抱えて一発逆転の大勝負に出ることを決意する――というストーリーで、映画は23日から全国公開。
拍手で迎えられた舞台あいさつには、キャストの石原、小柳、鶴見辰吾、古坂大魔王と伊藤匡史監督、道尾秀介が登壇したが、主役の阿部と村上の姿が見えず、会場はザワザワ。すると突然、会場内の警備員に扮していた村上が「ドゥーン! ドゥーン!」と叫び、「全くオーラが無かったみたいで、全然気づかれなかった」と正体を明かすと、対面にいた警備員姿の阿部も立ち上がり「拍子抜けするくらい気付かれないですね。人を騙すのは、意外に楽しい」とご満悦。劇中でコンビを組む2人だが、阿部は「お笑いで苦労して乗り越えてきた感じが、言葉じゃなくて背中で分かる」と村上を称賛するも、「台本を覚えられなくて、助監督を人質にして家庭教師にしてました。その姿が滑稽だった」と苦笑い。村上は「阿部さんにアドバイスを求めたら『うん、とりあえず覚えること!』と言われて、ずっと台本を読んでました。人生で初めて頑張った」と胸を張った。
「来年、このコンビでM-1に出ようかと。阿部さんをスベらせるわけにはいかないけど」と話が尽きない村上をMCが強制終了させると、その様子に大爆笑していた石原は「現場も最初からこんな感じで、楽しい撮影でした」と笑顔を見せ、「いつもワイワイしてて。私はほとんどアドリブだったので、現場では(小柳演じる)貫ちゃんと2人でキャンキャンしてました。いつスタートしてカットになってるのか分からなかった」と振り返ると、鶴見は「役柄上、阿部ちゃんをイジメなきゃいけないのが辛かったけど、大好きな阿部ちゃんの映画に出れてうれしい」と感慨深げ。最後に阿部は「共演者のみなさんと一緒にお仕事をして、新しい自分を発見しました。監督が愛情を込めて作った作品なので、是非観に来て欲しい」とPRしてイベントを締めくくった。