企業名想起率1位は、ロッテの「お口の恋人」だった

日経BPコンサルティングは、今年で11年目になる「企業メッセージ調査 2012」の結果をまとめ、10月26日に調査結果報告書を発行・発売した。

ロッテの「お口の恋人」は11年連続企業名想起率が1位

「企業メッセージ調査」とは、企業がブランド・コミュニケーションの中核として発信しているメッセージをノミネートし、認知度、理解度、接触度、好感度など、全16項目のイメージを一般消費者に聞いたもの。今回の調査は2012年8月に実施し、2万6,435件の有効回答を得た。

まず、企業が発信するメッセージを提示して、その企業名を記入する正答率(企業名想起率)は平均4.2%だった。「伝えるための工夫」がない企業のキャッチフレーズは記憶に残りにくいようだ。そのような中、「お口の恋人(ロッテ)」の企業名想起率は73.9%と高く、11年連続して1位となった。

2位はファミリーマートの「あなたと、コンビに、ファミリーマート(63.8%)」、3位はコスモ石油の「ココロも満タンに(61.2%)」。2位と3位はともに音声付のため、記憶に残りやすかったと思われる。

カルピスは7年かけて上昇し、2012年の企業名想起率は46%

注目したいのはカルピスの「カラダにピース CALPIS」。2006年の企業名想起率はわずか2.0%だったが、毎年じわじわと上昇し、2012年は46.1%となった。企業は企業メッセージを長く使い続け、浸透のための努力することが重要であることが分かった。

「いってみヨーカドー!」は短期間での浸透に成功

「発信期間が2年以下と比較的短いメッセージ」の企業名想起率は、イトーヨーカ堂の「いってみヨーカドー!」が29.4%。トヨタ自動車の「FUN TO DRIVE, AGAIN.(26.7%)」、日本航空の「明日の空へ、日本の翼(15.8%)」も高かった。短期間ながら「意図を明確に伝える」言葉選びで、浸透に成功していることが分かる。

BtoB企業では、クラレの「未来に化ける新素材」が高評価

企業メッセージは、対消費者だけではなく、対企業のBtoB企業でも発信をしている。中でも評価が高かったのはクラレの「未来に化ける新素材(企業名想起率17.7%)」、清水建設の「子どもたちに誇れるしごとを。(同6.7%)」だった。企業の「らしさ」を素直に表現したことが評価されたようだ。