高級煎茶をパウダーにして練りこんだ、「お菓子の甘陣」の色鮮やかなブランデーケーキ

緑茶が健康にいいだけでなくダイエットにも効果が期待できる、と聞いたことがあるという人は多いだろう。高濃度茶カテキンは、口から入ってくる脂肪にも、たまっている脂肪にも効くといわれているのだ。そこで今回は、緑茶をふんだんに使った身体にいいスイーツを一挙ご紹介しよう。

静岡県は日本茶・緑茶の消費量日本一だ。総務省の2009年度リサーチによると、一世帯あたりの緑茶の消費量は、静岡県はなんと1,901グラム。全国平均の986グラムと比べると2倍近い数字だ。静岡の人にとって緑茶は毎日の食生活には欠かせないもの。当然、県内には一流の茶葉を使ったぜいたくな緑茶スイーツも数多く存在している。

ブランデーとお茶がベストマッチしたブランデーケーキ

甘陣2代目店主の増田剛士さん

ブランデーケーキといえば、みなさんご存じの渋~い大人のお菓子。お酒の匂いがプンとするこのケーキに、緑茶パウダーを山のように投入したら一体どんな味になるんだろう。香りの強いもの同士で混じってしまって、おいしくないんじゃないだろうか、とちょっと心配になってしまう。

しかし「お菓子の甘陣」で「茶ブランデーケーキ」を一口食べた途端、その思い込みは見事に払拭(ふっしょく)された。お茶リキュールをベースにしたシロップに、煎茶パウダーが入った味わいの上品なこと。さらに、軽い食感にもびっくりさせられる。

アポなし突撃取材にも快く応じてくださったのは2代目店主の増田剛士さん。この魅力的なケーキを開発したのは1989年頃だという。「お茶農家の知り合いに、煎茶のパウダーを使って何か開発してみたら? とすすめられたんです」と語る。

そこで、従来のブランデーケーキの質感はそのままに、ブランデーの役割をするお茶リキュールを独自に開発。静岡県牧之原大茶園でとれた高級煎茶をパウダーにして、このオリジナルケーキを創作した。

原料にも徹底的にこだわり、小麦粉は100%国内産のものを使用しているという。現在はネット販売もしているので、しっとりとした上品な味わいをぜひ確かめてみてほしい。

お茶の違いを楽しみつつ、昔ながらのワッフルにほっこり

大正時代より続く茶問屋の三代目社長が2010年にオープンさせた「茶町KINZABURO」。その人気商品は、お茶をふんだんに使って作るクリームが挟まれたワッフル菓子で、その名も「茶っふる」という。この商品に使われている緑茶クリームは、天竜と岡部で採れたもの。「茶っふる」は「母ちゃんがガスコンロで焼いてくれたワッフル」をイメージした、素朴で温かい一品だ。

茶っふるは、本山(ほんやま)、天竜、岡部、ほうじ、安倍川、川根の6種類がある。味や色合いも違うので、ぜひ食べ比べてみてほしい。

お茶クリームの味の違いが分かるようになったら、お茶通に一歩近づいたしるしかも。店舗では1階で購入したスイーツを2階のイートインコーナーで食べることができる。なんと10種類近くのお茶が無料で飲めるという、うれしいサービス付きだ。

「ほうじ茶」など和の素材がたっぷり楽しめる茶ッフル。見た目もかわいらしい

小さくて丸~いベストセラー「お茶豆」&「優煎茶飴」  

創業明治初年。老舗の茶店ヤマチョウの「鈴木長十商店」からは 、季節を問わず愛されているベストセラー2品を紹介。ロングセラー「茶豆」は優煎茶を100%使用。落花生の周囲をもち粉と小麦粉のサクサク生地で包み、表面に優煎茶をまぶしたオリジナルお菓子だ。

「優煎茶飴」は、無農薬の最高級栽培茶を粉末にした「優煎茶」を使ったぜいたくなキャンディー。落ち着いた味わいが幅広い世代に愛されている。

ざっと駆け足でご紹介してきた、茶どころ静岡県ならではの上質な茶葉を使った高級スイーツ特集。ネット販売でも気軽に手に入れることができる今、緑茶好きな大人のスイーツとして、ぜひオススメしたい。 

左「茶豆」100グラム380円 / 右「優煎茶飴」100グラム350円