日本航空(以下、JAL)は13日、東京・羽田のJAL格納庫で、スタジオジブリと共同制作したボーイング787型特別機「JAL×ジブリ特別デカール機」のお披露目イベントを行った。
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同機は、JALとアニメ制作会社のスタジオジブリがコラボした『空を飛ぶ。』プロジェクトの一環で企画され、ボーイング787型機の外装に描くイラストを国内外の小学生から公募。機体には、応募作品13,474点の中から選ばれた、最優秀作品1点と優秀作品6点が、審査委員長を務めた宮崎駿監督のイラストに連なるように描かれており、東京(成田・羽田)発着の北京、シンガポール、モスクワなどの路線で就航する。14日から2013年3月31日まで運航される予定。
イベントには、同社の植木義晴社長とスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー、入賞者7名が出席し、787型機の製造遅延により、約4年越しとなった同機の姿に植木社長は「素晴らしい飛行機になって待った甲斐があった。みなさんの夢を飛ばし続けることをお約束したい」と感慨深げ。イベントを欠席した宮崎監督から「白い機体にとても映えそうな平和で穏やかな作品でした。本当におめでとう」と祝福のメッセージを受けた最優秀賞の山口裕子さんは「このような日が迎えられて幸せです」と喜びを語ると、小学生から高校生になった優秀賞の吉村侑一郎さんは「一時は本当に飛ぶ日が来るのかな? って思ってたけど、飛んで良かったです」とほっとした表情を見せていた。
同機には、"乗って旅してみたい空飛ぶ乗り物"というテーマで宮崎監督のイラストも描かれているが、鈴木プロデューサーは「僕と宮崎は『子どもの絵には勝てません!』って大反対したんですが、JALの方の熱意に負けて……。やっぱり、宮崎の絵は要らなかったんじゃないかな?」と苦笑いしつつ、「飛行機に絵を描くのは品が無いと思ってたけど、子どもたちの絵は品を保ってますね」と大満足。続けて、宮崎監督の描く絵について「絵が上手い弟に勝ちたくて、丸4年間、1日も休まずに人や動物を観察して写生したそう」、「最大の特徴は見たものしか描いてない。描けなくなると、観察に出かけてる」と子どもたちに語ると、植木社長も「宮崎監督は、飛行機の知識が豊富なんです。私よりも飛行機のことを知ってるんじゃないかな?」とエピソードを披露した。さらに鈴木プロデューサーは「本当は今日、宮崎が来なくてはいけなかったんですが、制作の真っ只中で。メディアがいっぱいいるから困っちゃうけど……、飛行機がいっぱい出てくる映画を作ってます!」と明かして子どもたちを喜ばせていた。