国税庁は27日、2011年の民間給与実態統計調査の結果を発表した。それによると、民間企業で働く会社員やパート従業員が2011年に得た平均給与は409万円で、2010年に比べて3万円(0.7%)下回ったことが分かった。

平均給与および対前年伸び率の推移(出典:国税庁Webサイト)

業種別に見た場合、最も高額だったのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の713万円、次いで「金融業、保険業」の577万円、「情報通信業」の570万円、「学術研究・専門・技術サービス業、教育・学習支援業」の481万円、「製造業」の462万円となった。反対に、最も低いのは「宿泊業、飲食サービス業」の230万円だった。

男女別では、男性が前年比3万6,000円(0.7%)減の504万円、女性が同1万4,000円(0.5%)減の268万円となった。

給与所得者の給与階級別分布を調べたところ、「300万円超400万円以下」が最も多く838万人(構成比18.4%)。以下、「200万超300万円以下」が797万人(同17.4%)、「100万円超200万円以下」が676万人(同14.8%)と続いた。また、「100万円以下」は393万人(同8.6%)で、これらを合わせると300万円以下の人が全体の4割となる1,865万人に上ることが判明した。

男女別に見ると、男性では「年間給与額300万円超400万円以下」が544万人(構成比19.9%)、女性では「100万円超200万円以下」が479万人(同26.1%)で、それぞれ最多となった。

給与の内訳は、平均給料・手当が350万円(男性428万円、女性233万円)、平均賞与が59万円(男性76万円、女性35万円)。また、平均給料・手当に対する平均賞与の割合は17.0%(男性17.7%、女性15.0%)だった。

1年を通じて民間企業に勤務した給与所得者数は、前年比0.3%増の4,566万人。これを男女別に見てみると、男性は前年比0.1%増の2,731万人、女性は同0.6%増の1,835万人となった。また、1年を通じて民間企業に勤務した給与所得者に支払われた給与の総額は、同0.4%減の186兆7,459億円。男女別では、男性が同0.6%減の137兆5,902億円、女性が同0.1%増の49兆1,557億円だった。

給与所得者のうち、3,853万人が源泉徴収により所得税を納税しており、その割合は84.4%。また、その税額は前年比4.2%(3,056億円)増の7兆5,529億円となった。

給与所得者のうち、年末調整を行った人は、前年比0.9%(37万人)減の4,203万人。このうち、配偶者控除または扶養控除の適用を受けた人は、同15.0%(247万人)減の1,406万人で、扶養人員のある人1人当たりの平均扶養人員は1.49人となった。また、配偶者控除のある人と配偶者控除のない人共に、扶養人員1人の人が最も多いことがわかった。