「ラブレ菌摂取が排便時の"いきみ"の強さと血圧変動に与える影響」

飲料メーカーであるカゴメと、栃木県大田原市の那須中央病院は、植物性乳酸菌である「Lactobacillus brevis KB290(以下、ラブレ菌)」が、排便時の"いきみ"と血圧変動に与える影響について共同で研究した。ラブレ菌の摂取により便通が改善されることに加え、排便時の"いきみ"と血圧の上昇を抑制する効果を明らかにした。

今回の調査では、便秘傾向を自覚する、20~60歳の男女20名を被験者としてラブレ菌の摂取試験を実施。生きたラブレ菌を100億個以上含むカプセルを用いた試験食品を、1日1カプセル、朝・昼・晩いずれかの食後に摂取してもらった。

試験期間中、毎日便通と排便時の"いきみ"を日誌に記入。実験期間の後半1週間は排便時の血圧を測定し、日誌に記入してもらっている。

摂取前観察期間と摂取期間で、1週間当たりの排便回数と便の形を比較したところ。排便回数が週5回以下の10名で、ラブレ菌摂取期間は排便回数が有意に増加し、硬い便の出現率が有意に減少していた。また、いきみの強さも減少していたという。

また、安静時および排便時の血圧を比較したところ、安静時の血圧は各期間で差がみられなかったが、排便時の血圧は摂取前観察期間と比較して、摂取期間では有意に低下していた。

今回の試験結果から、「ラブレ菌の摂取により、被験者の便通が改善し、排便時の"いきみ"や排便時の血圧上昇が抑制されることが示唆され、整腸作用を介して脳卒中や心疾患の発症リスクを低減することにつながる可能性がある」と同社は分析している。

なお、同研究内容は、第35回日本高血圧学会(9月20日~22日、ウェスティンナゴヤキャッスル)で発表されるとのこと。