灯りまつりの様子

古くから海運による物流の拠点として栄え、北前船が利用した港として知られる尾道市。北前船が尾道に入港する際に目印とした、海岸沿いから寺に続く常夜灯に由来する「灯りまつり」が10月6日(土)18:00~21:00に行われる。

灯りまつりは寺院をはじめとする市内各所で行われる。済法寺、持光寺、光明寺、海福寺、宝土寺、千光寺、天寧寺、妙宣寺、正授院、善勝寺、大山寺、西國寺、正念寺、西郷寺、浄土寺、海龍寺の各寺院。

さらにしまなみ交流館前、JR尾道駅前ベルポール広場、ゆとり広場、尾道商議所記念館、れんが坂、向島兼吉地区、尾道市美術館、ハッピークボ、尾道通り、爽籟軒庭園でも実施される。灯されるぼんぼりは全部で3万個にものぼる。

開催場所により、ぼんぼりの配置が工夫されている。聖徳太子の開基と伝えられ、後白河法皇の勅願寺となった浄土寺では曼荼羅をモチーフとして「ひかりの曼荼羅」と題した配置となっている。海龍寺においても「ひかりの曼荼羅」を見ることができる。

町を見下ろすビューポイントであり、また白河法皇の勅願寺であった「西國寺」では、西國寺に至る坂道を滝に見立て、滝壺から本堂に上がる「昇り龍」をイメージした配置だ。西國寺の金堂・三重搭は国重要文化財でもある。

海福寺のぼんぼりは、寺に伝わる「三つ首様伝説」をイメージしたもの。光明寺では東日本大震災を忘れないという意味で「忘れな草」をモチーフとしたデザインだ。宝土寺は「復興への追い風」の願いが込められた風の流れをイメージして配置される。

しまなみ交流館前の配置は鉄道をモチーフとしたもの。ゆとりの広場は「人と人との繋がり」、「尾道から被災地への繋がり」をコンセプトにした配置だ。尾道商議所記念館では、東北に元気の風を送る応援に意味を込め、風車の形をイメージした配置となっている。 雨天の場合は翌7日(日)に延期となる。