「母のなみだ―愛しき家族を想う短篇小説集」(リンダブックス 刊)
288ページ、A6版 定価600円

4月28日に公開される映画『わが母の記』はタイトルにもあるとおり母と子、そして家族の絆を軸に描かれる。母と離れて育てられたため、「捨てられた」という思いがぬぐい去れない主人公の小説家・伊上洪作(役所広司)。年老いた母・八重(樹木希林)と向き合うとき、今まで語られることのなかった真実が母の口からこぼれ落ちる。

そんな『わが母の記』の関連本として、親子・家族愛をテーマとした短編小説集「母のなみだ」が11日に発売される。現在までにシリーズで171万部のベストセラーとなっている「99のなみだ」の作家陣が、結婚、出産、子育て、そして別離といった人生のさまざまなシーンから題材を取り、心温まる家族のエピソードを綴る。

後ろ指をさされながら小さな田舎町で生きてきた母子。弱い母のようになりたくない一心で都会に逃げた息子が、十年ぶりの故郷でみた母のひたむきな生き様が胸を打つ「運動会」。

父が亡くなった。思えばずいぶん期待外れの息子だったに違いない。葬儀のあと、息子がひとり父の書斎で見つけた小さな木箱には……。父親の愛が心に染みる「父へ」。

あれほど同居を嫌がっていた母が、急に同居をすると言い始めた。戸惑う息子に語った母の愛情がせつない「母が祈る理由」。

これら3篇を含む10篇が収録されている。

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