写真中央がジェットスター・ジャパンCEO 鈴木みゆき氏と、ジェットスターグループCEO ブルース・ブキャナン氏。ジェットスターグループは年間約2,000万人(2010年~2011年)の乗客を運ぶアジア・太平洋を代表するLCC。2013年には日本からの国際線も就航予定

格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンは8日、当初予定していた12月から大幅に前倒ししての国内線就航を発表した。同社は日本航空(JAL)が出資するアジア・太平洋地域のLCCで、運航開始日は今年7月3日。就航するのは成田空港を拠点に、札幌、関空、福岡、那覇の5空港となっている。どの空港を結ぶ路線を運航するのかと、便数は現在調整中で、新路線は段階的に開設していく予定で、最初のスタートが7月3日になる、というわけだ。また、整備などの拠点は成田だが、成田発着以外の路線も開設する。航空券の販売チャネルもウェブサイトだけでなく、SNSやキオスクなどへ広げて行くという。

これにより、既に成田発着便を格安運賃で運航しているスカイマーク、夏に就航予定のエアアジア・ジャパン、関空発着のピーチ・アビエーションなど、他のLCCとの格安運賃競争の激化は必至。例えばスカイマークの成田 - 札幌の運賃(2012年3月8日)を見ると、最も安い「WEBバーゲン」運賃が片道5,800円、次に安い「WEB割10」が同7,800円、普通運賃が同1万6,800円。これに対しジェットスター・ジャパンは、「プライス・ビート・ギャランティ(最低価格保証)」の提供を目指している。これは、同一路線、同一日、同一時間帯で同社よりも安い運賃を他社が出していた場合、その金額よりさらに10%割り引くというもの。スカイマーク成田 - 札幌線の「WEBバーゲン」運賃がこの最低価格保証の条件に当てはまった場合、5,800円の10%引き、5,220円で乗れる計算になる。「たとえ原価割れしても最低価格保証は行う」(ジェットスターグループCEO ブルース・ブキャナン氏)。

ジェットスター・ジャパンが運航を開始を7月3日に前倒ししたことで、ライバルである全日本空輸(ANA)出資のLCC、エアアジア・ジャパンの就航よりも1カ月ほど早くなった。エアアジア・ジャパンは8月1日の就航を予定しているので、今回の就航前倒しは明らかにライバルを意識したものだろう。いよいよ低コスト航空会社の本格的な競争が幕を開けるが、「競争が激化し運賃が下がれば、勝ち組はすなわち消費者」(同氏)ということになる。

果てして、ジェットスター・ジャパンはどの程度の格安運賃を提供してくれるのか。運賃発表が楽しみだ。