――PVもかなり可愛い感じに仕上がっていますよね

榊原「めちゃめちゃ頑張ってます(笑)。まずは女の子になる、というとちょっと変ですが、まず甘々な感じにするところからかなり頑張ってます。メイキング映像も収録されているので見ていただけるとわかるのですが、メインキングでの喋りは本当におっさん過ぎて(笑)。あの格好ですごくおっさん的なことを喋りつつ、本番ではスパっと切り替えて、すごく可愛い感じに頑張っている私がいます」

――撮影にはどれくらいの時間がかかっていますか?

榊原「今回、あまり時間はかかっていないですね。たぶん歴代のPVの中でも短いほうだと思います。基本的に衣装が2パターンで、リップシンクとダンスシーンとイメージシーンを撮ったのですが、撮影はかなりスムーズでした。去年はPV撮影に3日もかけていますから(笑)。これはちょっと極端ですけどね」

――先ほど曲数の話をしましたが、それに伴ってPVの数も増えていますよね

榊原「でも、一時期よりは落ち着きましたよ(笑)。本当に2カ月で3本ぐらいPVを撮っていた時期もありましたから。たまたまスケジュールが重なって・・・結構撮っていましたね(笑)」

――PVを撮影するにあたって、一番大変なのはどういうところですか?

榊原「やっぱり用意ですよね。準備が大変です。特にダンサーちゃんがいると、ダンサーの分も用意しなければいけないですし。今回の『Decoration』は本当の意味でデコレーションで、衣装も私がデコレーションしたんですよ(笑)。縫って、アレンジして。なので、歌詞を覚えたり、曲を仕上げたり、ダンスを振り付けたりといったところはもちろん、撮影当日に向けて、小物や衣装を、自分たちのイメージどおりに仕上げていくところが一番大変な作業になっているかもしれません」

――そういった点も踏まえて、今回のPVはイメージどおりの仕上がりになっていますか?

榊原「まさにイメージどおりという感じで、かなりいい仕上がりになっていると思います。ケーキの中に自分がいるような甘々なところもありつつ、ダンスシーンでは、ユニオンジャックの衣装を着て、ちょっと女の子らしい凛々しさを見せている。間奏のところに"威風堂々"のアレンジが入っているんですけど、そういったところで、女の子の強さや凛々しさを表現しています」

――ただ甘いだけではない

榊原「そうですね。けっこうコンセプト的にはギュっとまとまっているのですが、その中にいろいろな遊びを加えた感じになっています」

――続いてのオリジナル曲は「Moonlight -Romeo.number-」

榊原「ちょうどアルバムを作る前ぐらいのタイミングで、DJ SHIMAMURA君とのコラボの話が来たんですよ。長年の付き合いもあるので、そろそろ何か面白いことをしませんか、みたいな感じで、ちょうどSHIMAMURA君のアルバムの発売日が、このアルバムと同じ時期ということもあって、発売を同日にしてアルバム同士のコラボレーションをすることになりました。それで、アナザーソングというか、ペアソングを作って、それぞれのアルバムに収録し、両方を聴くと相乗効果でより良くなる、みたいな感じにしましょうということで、SHIMAMURA君が作曲とアレンジ、私が作詞とボーカルを担当した曲がそれぞれのアルバムに収録されています」

――そして、榊原さんのアルバムに収録されたのが「Moonlight -Romeo.number-」ということですね

榊原「基本的なところは私にお任せということになったので、まずは曲の方向性として、私のアルバムには切なカッコいい感じの雰囲気の曲を入れたいとお願いして、出来上がったのが「Moonlight -Romeo.number-」になっています。同じコンセプトで別々の曲の詞を書くというのは、今回が初めてだったのですが、どういう風に遊ぼうかなって考えていたときに、何となく"ロミオとジュリエット"がいいなって。なので「Moonlight -Romeo.number-」はその名のとおり、ロミオの気持ち、バルコニーの下から眺める男性側の気持ちになっていまして、SHIMAMURA君のアルバムに収録される「Sunrise -Juliet.number-」は、バルコニーの上から見る女の子の気持ちになっています。同じ世界観、同じ場面にいる、恋する男女のそれぞれの気持ちを詞にして見たのですが。意外とこれが面白い感じに仕上がっています」

――タイトルも対比させているんですね

榊原「『Sunrise』と『Moonlight』という、まったく正反対のものを持ってきています。『Sunrise』はかなり明るくて、前向きな感じですね。最近では、女の人のほうが前向きなので(笑)。それぞれの曲を単独で聴いても、ちゃんと成立はしているのですが、ぜひこの2曲は、セットにして聴いていただきたいですね。私自身、こういった試みは初めてだったので、かなり楽しみながら作詞のほうもやらせていただきました」

(次ページへ続く)