セブン銀行は5日、同社の海外送金サービスに関する記者説明会を開き、すでに開始しているインターネット・モバイルバンキングでのサービスに加え、7月19日からセブン銀行ATMでも海外送金サービスを開始すると発表した。また同説明会では、フィリピンとの間でインターネットバンキングで実際に同サービスを利用するデモンストレーションなども行われた。

日本国内の1万5000台以上設置のセブン銀行ATMからも利用可能に

セブン銀行の海外送金サービスは、日本から海外への送金ニーズに最適に応えるべく、Western Union(The Western Union Company、ウエスタン・ユニオン)の世界約200以上の国と地域に40万カ所以上の拠点を有する世界最大の送金サービスネットワークを使い、セブン銀行口座から、簡単かつ迅速に送金できるサービス。

2011年3月22日から、インターネットバンキング、モバイルバンキングでの海外送金サービスを開始。さらに7月19日からは、日本国内にある1万5,000台以上設置のセブン銀行ATMからも、同サービスを利用できるようになる。

従来、銀行や郵便局などから海外に送金する場合、日本で働く外国人らの間からは、「時間がかかる」「送金したくても店舗が閉まっている」「手数料が高め」「手続きが煩雑」などの声があがっており、「時間」「場所」「手数料」などの点でさまざまな制約があった。

セブン銀行の海外送金サービスは、これらの不満・制約を解消すべく、「海外カードサービスに続く、グローバル時代の新しいリテール金融サービスの第2弾」(二子石謙輔社長)として提供を開始した。具体的には、(1)原則24時間365日送金可能、(2)シンプルかつリーズナブルな送金手数料、(3)受取拠点が豊富、(4)送金から最短数分で受取可能、などの特徴がある。

セブン銀行の海外送金サービスの特徴

原則24時間365日送金可能なことにより、「Account to Person」(口座から個人へ)というユニークな方法で、セブン銀行口座から、顧客の都合に合わせて簡単・便利に送金できる。また、1万円までの送金手数料は990円、5万円までの送金手数料は1,500円とシンプルかつリーズナブルな送金手数料となっている。ウエスタン・ユニオンの提携する約200の国と地域、40万ヵ所以上の拠点で受取可能で、急いで送金したいときに迅速・確実に送金できるのも特徴となっている。

万全のセキュリティ体制も整備

また、マネーロンダリングやテロ資金として利用されないように、万全のセキュリティ体制を築いている。個人間サービスに特化し、送金可能額、送金回数、送金目的に一定の制限を設けているほか、口座作成時における本人確認や、送金相手の事前登録などの事前対応を行っている。送金時の対応としては、本人確認や送金目的のチェック、さらに送金後の対応として銀行口座のモニタリングなどにより、不正な利用をされないようにしている。

マネーロンダリングやテロ資金として利用されないように、万全のセキュリティ体制を築いている

セブン銀行の二子石社長は、今回のサービスについて、「一度このサービスを使ってもらえば、いかに画期的なサービスであるか分かってもらえると思う」と述べた。また、ウエスタン・ユニオン シニアバイスプレジデント マネージングディレクター 日本・アジア太平洋地域担当のドリーナ・ユー氏は、「日本の市民、日本で就労している外国人にとっても、極めて高い利便性がある」と説明した。

フィリピン・マニラにわずか数分で送金完了

説明会では、フィリピン・マニラとの間で、インターネットバンキングを使って、実際に海外送金サービスを利用するデモンストレーションも実施。マニラにいるマリシェル・ヤオさんに、セブン銀行の山本健一氏が、実際に山本氏の口座から1万円を送金した。

インターネットバンキングを使って、実際に海外送金サービスを利用するデモンストレーションも実施

インターネットバンキングにIDなどを入力してログオンした後、サービスメニューから「海外送金」を選択。事前に登録していたマリシェルさんを送金先として選択し、送金目的・送金金額を選択・入力するなどすると、10桁の「送金処理番号」(MTCN)が表示される。

マリシェルさんは、マニラのウエスタン・ユニオンで、送金受取依頼書に、山本氏から連絡があった「送金処理番号」などを記入し、本人確認書類を添えて窓口に提出すると、1万円分のフィリピン・ペソが手渡された。

説明会場で送金手続きを行ってからわずか数分で、マリシェルさんにフィリピン・ペソが手渡された

この間、わずか数分。日本から海外に、簡単・迅速に送金ができることが、実際に示された。

また、説明会では、セブン銀行のATMを使っての送金手続きも説明され、セブン銀行カードを入れ、インターネットバンキングでの送金と同様の手続きを行った上で、海外送金ができることが説明された。ATMでも、「慣れてくると1分かかるかかからないかで手続きが可能」といい、国内での送金とほとんど変わらないスピーディーさが特徴となっている。

説明会では、セブン銀行のATMを使っての送金手続きも説明された

説明会の最後には、ギニア大使館補佐官のオスマン・サンコン氏も登場。日本に来て40年近くになるというサンコン氏は、「これまで送金するのに苦労してきた」と述懐。今回のセブン銀行の海外送金サービスについて「素晴らしい」と話した上で、「ぜひこのサービスの普及を応援したい」と話していた。

説明会の最後には、ギニア大使館補佐官のオスマン・サンコン氏(中央)も登場。右からセブン銀行会長の安斎隆氏、ウエスタン・ユニオンのユー氏、サンコン氏、ウエスタン・ユニオン日本代表の阪本安廣氏、セブン銀行の二子石氏