検証・いま評判の「スマ婚」、本当に「16.8万円で挙式と披露宴が叶う」のか

挙式実績は2年で4,000組

サービス立ち上げの2009年4月時点では大阪ショールームしか有していなかったが、口コミで拡がり、初年度で1,000組が成約。これは業界内では驚くべき数字である。その後、名古屋、東京と拠点を広げ、2年でトータル4,000組という実績を持つ。提携業者にとってもこの数字は魅力的で、ある程度価格を下げても数を稼げるという見込みが立つ。利用者にとっては「この料金でこのクオリティ! 」という好印象を与え、顧客満足度もアップしていく。

ちなみに「スマ婚」ではドレスや引き出物の持ち込み料が無料である。これについても担当者は「持ち込み料は、ブライダル業界特有の仕組み。当社では専属業者を抱えていないので、持ち込み料など不要なのです」と教えてくれた。

ブライダルの"カラクリ"が少しずつわかってきたのだが、やはり結婚式で最も重要ともいえるのが会場選びである。「スマ婚」の場合、東京・大阪・名古屋といった各エリアで100以上の会場と提携している。その中には誰もが憧れるラグジュアリーホテルも含まれており、「安かろう悪かろうな結婚式になるのでは? 」という心配も払拭される。もちろん、会場によって披露宴での飲食費は異なってくるが、これだけ会場の選択肢があるのはやはりプラスポイントだろう。

次に訪れたのは「スマ婚」のサロン。こちらはショールームを訪問したカップルが、プランナーと一緒に挙式に向けて具体的な打ち合わせを行う場所。「スマ婚」では申し込み後、約半年～1年後に挙式するカップルが多く、打ち合わせは平均3回ほど。最短1カ月後の挙式も可能なので、授かり婚には嬉しい。取材当日、ショールームで打ち合わせしていたカップルも授かり婚だった。

新郎28歳、新婦27歳のカップル。初回の打ち合わせから挙式までの期間は約1カ月半で、2回の打ち合わせで準備完了したという。「ある程度パッケージ化されているので、会場や料理の選定などがラクでした。質問にはすぐにプランナーが答えてくれて、打ち合わせの度に見積もりが膨らんでいくようなこともなく安心でした」と新郎新婦。とても満足した様子だった

料理のアレンジも可能

しかし、パッケージ化されていると聞くと、まったくアレンジができないのかと心配になる人もいるだろう。そこで料理を例にとって説明する。会場では、披露宴での料理を数パターン用意しているが、「スマ婚」では、例えば「松・竹・梅」と3パターンあったら、最もニーズのある『竹』コースしか用意していない。その中で、年配向けのメニューに工夫したり、アレルギーに対応した料理に変更するなどのアレンジは可能。高級食材ばかりを使った超豪華料理を用意するのは難しいが、標準的なお祝い料理の範囲内できめ細かくお客の要望に応えているようだ。

担当者は、「スマ婚」のターゲットを「結婚式の予算を300万円～400万円と考えているカップル」としている。この層であれば、100以上ある会場の中で満足のいく選択肢が見つかるだろうし、自分たちが考える式のクオリティを保ったまま前述のように予算の4割～6割の出費で済む。ただし、さらなるアッパークラスの式を考えていたり、式当日だけでなく、過程にも非日常的なラグジュアリー感を望む人には不向きなサービスといえよう。

しかしながら、「予算の都合で結婚式をあきらめていたが、『スマ婚』のおかげで夢を叶えられた」というカップルが数多くいることは確かだ。結婚式をしたカップルから多く聞く感想が「やっぱりやってよかった」。スタンダードな式を望むカップルにとって、「スマ婚」が救世主的な存在であることはやはり間違いなさそうだ。