東京・新宿ロフトプラスワンにて1月15日、トークイベント「日本オタク大賞2010」が開催された。その前年、オタク業界でどんな作品やニュースが話題になったかを一挙にふり返り、独自の論評を加えて楽しむ日本オタク大賞は、2001年にスタートして今年で節目の10回目。
回を重ねるごとに権威ある賞と周囲から勘違いされ、一部審査員もやや困惑気味とのことだが、あくまでも本質は生粋のオタクたちが集まって楽しく盛り上がる、新年会的トークショーとなっている。今回は初めてUSTREAM中継も行われ、ピーク時には約1,000人が視聴するという盛況なものとなった。
今回集まった審査員は7名。アニメ、ゲーム、マンガ、ホビー、ライトノベル&出版といった各ジャンルから、2010年の話題が持ち寄られ、爆笑と納得のうなずきが渦巻く3時間以上のトークを経て、大賞候補が絞られた。ノミネートされたのは『エルシャダイ』『ゲゲゲの女房』『ハートキャッチプリキュア!』「はやぶさ」「キムタクヤマト第三艦橋」「非実在青少年」「小林ゆう」「三木一馬」『ドカベン(特に微笑三太郎)』という9項目。
この9項目に審査員が3票ずつ投票。さらに会場票の3票を加えて大賞が決定……するはずが、今回は例年以上の大混戦に! 小さなお友達たちから大きなお友達まで夢中になったアニメ『ハートキャッチプリキュア!』と、波乱のミッションを乗り越え見事地球への帰還を果たした小惑星探査機「はやぶさ」のふたつに絞られたものの、会場の拍手による決戦投票でも甲乙つけ難かったため、双方を大賞とする史上初のダブル贈賞が決定した。
左より一般部門担当で司会の藤津亮太氏、ホビー部門担当の東海村原八氏、ゲーム部門担当の志田英邦氏、アニメ部門担当の前田久氏 |
左より、初参加となったライトノベル&出版部門担当の前島賢氏、マンガ部門担当の奈良崎コロスケ氏、その他部門担当で過去10回皆勤の鶴岡法斎氏 |
続いて各審査員が選ぶ個人賞も発表された。藤津亮太賞に中年男のペーソスにあふれた杉作J太郎の異色SF小説『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』。東海村原八賞に木村拓哉主演による実写化で話題を呼んだ映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』。志田英邦賞に発売前からニコニコ動画などでブームを巻き起こしたゲーム『エルシャダイ』。前田久賞に「女に惚れさす名言集」などで話題をさらったギャグマンガ家の地獄のミサワ。前島賢賞に『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』など人気ライトノベルを多数手がける編集者の三木一馬。奈良崎コロスケ賞にホスト業界を舞台にした木崎拓史のマンガ『カイタン』。鶴岡法斎賞に高い演技力と個性的なキャラクターで知られる声優の小林ゆう。さらに観客賞として、非実在青少年がそれぞれ選ばれた。