スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)は11日、アコムの長期カウンターパーティ格付けを「BBB-」へ、短期カウンターパーティ格付けを「A-3」にそれぞれ1ノッチ(段階)引き下げた。同時に、プロミスの長期カウンターパーティ格付けを「BB」へ2ノッチ、短期カウンターパーティ格付けを「A-3」から「B」へ1ノッチ引き下げた。
両社の長期優先債券の格付けも、各社の長期カウンターパーティ格付けと同水準に引き下げた。両社の格付けは、武富士(格付けなし)の会社更生法申請に伴い利息返還請求が増加する可能性などに鑑み、2010年9月29日以降、格下げ方向の「クレジット・ウォッチ」に指定されていたが、今回の格下げとともにすべて解除した。両社の長期カウンターパーティ格付けのアウトルックは「ネガティブ」。
格下げは、各社が属する銀行グループからの非日常的な特別支援の可能性を加味する前の単体ベースの信用力評価(スタンドアローン評価)を、アコムについては1ノッチ、プロミスについては2ノッチ、それぞれ引き下げた結果。各社の営業貸出金残高の減少幅が拡大している上、高水準の過払い利息返還が継続していることから、「収益性やキャッシュフローへの下方圧力が、S&Pの従来の想定よりも長期化する可能性が高まった」と判断した。
S&Pによると、現在のところ、総量規制を背景とする貸し倒れの目立った増加はないが、利息返還請求やその先行指標は、2010年9月末の武富士の会社更生法申請を機に、再び増加傾向に転じた。武富士が利息返還請求権のある顧客130万人に対して、債権を届け出るよう個別に通知するとの報道があり、「実行されれば他社への利息返還請求を相応に誘発することが見込まれる」(S&P)。
利息返還請求の増加傾向が長期化するかは現時点で不明だが、営業収益の減少幅が大きいため、「貸し倒れや利息返還の発生を勘案すると、事業からのキャッシュフローの実質的な赤字が来2012年3月期も続く可能性が高い」(S&P)。
一方、S&Pでは、両社の資金調達基盤は引き続き、各銀行グループによって支えられているとみている。アコムの資金調達基盤は、「同社株の40%を所有する三菱UFJフィナンシャル・グループからの直接的な与信や、同グループの信用力によって支えられている」(S&P)。アコムは同グループの連結子会社となって以降、グループ内の他企業から同社への事業集約が進み、グループの消費者金融事業の中核子会社としての位置付けが明確になっている。
また、プロミスの資金調達基盤は、「同社株の22%を所有する三井住友フィナンシャルグループの信用力に下支えされている」(S&P)。プロミスは三井住友FGの持ち分法適用会社だが、グループの事業戦略上、重要な位置付けにあり、銀行グループ出身の社長のもと事業構造改革に取り組み、銀行との協業関係が維持されている。ただし相対的にみて、事業キャッシュフローの見通しが弱く、返済や借り換えの負担が重いとみられることに鑑み、財務基盤が不安定化しやすいとの見方から、「スタンドアローン評価の引き下げ幅を2ノッチとした」(S&P)としている。