――「映画を観る」ということ……

MEGUMI : 「今の時代、ネットで好きなときに観れたりとか、映画があまりにも近くにある存在なので逆に離れちゃってるようなところもあると思うんですけど……役者さんの意気込みとかスタッフの方の関わり方とか、映画に対する手間のかけかたは半端ないと思いますし、ものすごく丁寧につくられているもののひとつなので、そういうものを観るのは絶対いいですよね。

アニメでもなんでも格言みたいなものがポロッとあったり。自分のために絶対なる。スッとしたり、悩みが解決したり、楽になれたり、笑ったり……マイナスなことは何も無いと思うんです。皆さん忙しかったり大変かもしれないですけど、例えば『きょうは映画を観る日』みたいに決めて、観て、スッとして、また次から頑張ろうみたいな。私もそうですけど、そういうクセを、皆さんもつけてほしいな、と思います」

――『21グラム』や『ミスティック・リバー』といった割と重めな映画がお好きだそうですが、ご自身で演じてみたい役はありますか?

MEGUMI : 「まぁ日本人なんで邦画とかになってくると……一番最近観たので印象的なんですけど『告白』の松さん(松たか子)とか、すっごいよかった。木村佳乃さんもよかったですけど。ああいう冷血な感じ? で後半バーンみたいなのはすっごくやってみたいですね。『告白』の佳乃さんのイッチャッテる感じがたまらないですね(笑)

――今回の作品『コンスタンティン』だったらヒロインか、ガブリエルか?

MEGUMI : 「完全にガブリエルですね。ヒロインはちょっと…大変そうなんで(笑)脇役でパンチある、みたいなのに憧れますね。ヒロインはふりきれないじゃないですか。ヒロインを囲む、けれど存在感もあるような、パンチ系がいいですね」

――最初に観た映画が『寅さん』だそうですが……

MEGUMI : 「田舎なので、ハリウッド映画とか、お洒落な映画を観るっていう文化がなくて、今みたいに映画館もたくさんあったわけではないので。近所にある、昔からおじいちゃんがやってるような映画館で(笑)、割と邦画の渋めなものが一般に公開されていたんですね。親もそういう環境で育って、私も同じように……たぶん小学校1~2年生だったと思います。

寅さん、一緒に暮らしたら大変だろうけど、でも魅力的かも~みたいな(笑)。生意気ですね。もともと皆がアニメを見ているときにトレンディ・ドラマとか見ているようなタイプだったんで。割と理解力があったのかもしれないですね。そのあとは、中学生ぐらいからラブコメだとか、誘われたりして行ってたんですけど……サブカル映画みたいなものとか『トレインスポッティング』とか『ベティ・ブルー』『KIDS(キッズ)』とか。自分の憧れの洋服屋さんの、割と大人の人たちと遊んでたんですね。その人たちが『KIDS』いいよ~とか教えてくれて。それからはラブコメとサブカル系の両方を観る、という感じでした」

――現在、お子さんは一才半くらいだと思いますが、一緒に映画を観たり?

MEGUMI : 「映画館はまだ行けないですけど、ピクサーとかは自宅で毎日観ていますね。『トイ・ストーリー』とか『アリス・イン・ワンダーランド』とかその手のものは、途中で飽きるタイミングもあるんですけど、ずーっと集中して観てたり。

子どもを黙らせたいがために、映画を観せてたりもするんですけど(笑)あまりにも毎日観ているので自分も一緒に観て、涙しちゃったりとか。『ナルニア国物語』にしてもそうですけど、昔はあまり興味がありませんでしたけど(笑)。今、こういうものにハマるというか、子どもがいることで、新たな世界が開けてきたという」

――作品をご覧になるときに、映像の深みや衣装を見たり……MEGUMIさんは制作サイドの視点もあるような雰囲気がします

MEGUMI : 「自分で子ども服やフリーペーパーを作ってたりしてるんで、やっぱり作る人の目線とか、作る人への憧れとか、まぁ全然できないんですけど(笑)。そういうものがあるので、衣装見てても、これとこれとこれで色を混ぜたんだな、とか、こんな時代なのにデジタルじゃなく撮ってるんだ、とか。そういうの考えたりするのがクセなんですね。

自分も現場にいるので照明さんとかがこう動いてるとかっていうのがわかるわけじゃないですか。その人たちが直接拍手されるわけではなく、やっぱり表に出ている役者が評価されちゃうけど、関わってる、地味なんだけど命こがしちゃってる~みたいな感じにやられますね」

――ちなみにフリーペーパーとは?

MEGUMI : 「年に3冊で、3年目ぐらい。毎号、形を変えて私の友だちとか一緒にお仕事させていただいた方とかに、じゃぁ今回テーマはMusicで、Artでと決めて、自由に表現してください、と。もちろん自分もやるんですけど、それの編集をやってるんですね。96ページの厚い本です」

——よくそんな時間がありますね!

MEGUMI : 「わたし時間の使い方が上手いと思うんですよね。全然寝てますし」

――映画を観て、モノ作りにおいてのインスピレーションを受けることも多い?

MEGUMI : 「もちろんです。やっぱり出してばっかりでもネタなくなっちゃうんで、買い物に行ったりとか映画を観たりとか、人に会ったりとかして、色んなことを吸収しようという頭は常にあるというか」

――すごい、今はそれに「子育て」が加わってるわけですよね…

MEGUMI : 「そうですねえ、たぶん私がこんな感じなんで、子どもをつきあわせちゃってる感じなので、やっぱりまだ幼いですし、最初は泣いてたんですけど、もうあきらめちゃったみたいで…もうお母さんはダメだと(笑)。申し訳ないなと思いつつも、まぁ本人も楽しそうなんで。一応上手くやってる感じではありますね

子どもは突拍子も無いことを言うので、もう少し大きくなってから『ナルニア国物語』なんか観たら違う感想が出たりして。自分が忘れていることもあるだろうし、それも楽しみだし、きっと影響されると思います」

――お子さんに観せたい映画が『ペイ・フォワード』

MEGUMI : 「子どもが主人公だし、幸せになるのは周りの人に与えて与えて与えてじゃないとかえってこない気がするというのは自分のなかのモットーがあって。それがど真ん中だったわけですよ、自分の考えと。ペイ・フォワードがわかりやすいし。DVDで観たんですけど、もう少ししたら、これでもかっていうほど観せてやろうと思っています(笑)。子ども扱いしないで色々観せておいたほうがいいってセンパイからも言われたので」

――旦那さんからも影響を受ける?

MEGUMI : 「もちろん。彼もモノを作る人なので、自分じゃわからない理解力がある。自分よりも全然「こういう風に思って作ったんだろうな」とかって映画を観終わってからポロっと言ったりして「はぁ~なるほどねぇ」みたいなのはいっぱいあるので、それはとても刺激になってますね」

――今回の『コンスタンティン』のキアヌ・リーヴスもそうですけど、ジョニー・デップやショーン・ペンなど、どちらかというと影のある感じが好きという

MEGUMI : 「女の子とか、友だちなんかもそうですけど、パーっと明るい感じで話していたとしても……やっぱりみんな色々あって頑張ってる、みたいなのがあるわけじゃないですか。家庭とか仕事とか恋愛とか。その持ち合わせが素敵って思っちゃうんですよね。頑張ってる感とか抱えちゃってる感とか、自分もそうなんですけど。だから表現できるのか、とか。そのバランス感がすごく好きなんです」

――運動神経が良いとプロフィールに書いてあったんですが、アクションはいかがでしょうか?

MEGUMI : 「運動神経はそこそこいいですね。アクション、やったことありますよ。殺陣とか時代劇もありますし、現代劇でも。ワイヤーでつったりとか。やってるときはカラダ的にスゴく辛いんですけど、終わったときの感動がアクションはまた別の感じで。すごく楽しいのでまたやりたいですね」

――ヒロイン系はちょっと、と先ほどおっしゃってましたが、アクションヒロインだったら?

MEGUMI : 「アクションヒロインもちょっと…大変そうですから(笑)やっぱりサブで……」

――パンチが……(笑)

MEGUMI : 「そう。やっぱり、サブで。パンチが効いてる感じの役がいいですね(笑)ドラマとかは割とやらせていただいているんですが、映画はあまり経験がないですし、映画に出るというのは、自分のこれからの夢です。

これまではドラマでも割と「いい人」の役が多かったので、自分の好きな映画みたいなズドーンと重いやつとか、考えさせられるやつとか。そういった役ができたらいいな、というか今後は絶対、映画に出たいと思いますね。もちろん観るのも好きですけど、演じて関わるのとではまた全然違いますから。女優としていろんな役をやりたいと思っています。バラエティもすごく好き、しゃべりも大好きなんですけどね」

『プレミア・ナビ』

『プレミア・ナビ』(毎週土曜 20:55~)は、CS映画専門チャンネル「ムービープラス」にて、映画放映の前後6分間に、ナビゲーターの小堺一機とゲストが作品の見どころや最新情報を紹介するオリジナル番組。MEGUMIは、10月2日(土)『コンスタンティン』、10月23日(土)『ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛』放映回の「プレミア・ナビ」に出演する。視聴方法はこちらを参照。