ベネッセコーポレーションの社内シンクタンク「ベネッセ次世代育成研究所」は15日、保育園の入園申請や結果、利用実態などに関するアンケートをまとめた「2010年 首都圏"待機児童"レポート」を発表した。

同調査は7月3日~7日の期間に、2010年4月時点で認可保育園に入園申請を行った首都圏在住の母親を対象にインターネット上で実施され、836人から有効回答を得た。

それによると、2010年4月に認可保育園に入園できた家庭は、昨年同様、申請した家族の半数を下回る47.2%となった。一方、4月時点で預け先が決まらなかった家庭は32.5%で、昨年の39.9%から7.4ポイント減少した。

「自治体の助成を受けている認可外保育所」への入園割合(2009年 : 6.9%、2010年 : 12.0%)と、「その他の認可外保育施設」への入園割合(2009年 : 2.4%、2010年 : 4.4%)が、それぞれ倍増しており、認可保育園へ入園することが出来なかった家庭の受け皿になっている実態が明らかになった。

上から「2010年4月において入園・利用が決定した保育サービス」「子どもを預けたい理由別(2010年)」出典 : ベネッセコーポレーション「2010年 首都圏"待機児童"レポート」

4月時点で預け先が決まらなかった母親のうち、半数以上の51.8%が「仕事、または再就職するのをやめ、自分で子どもの世話をすることにした」と回答。22.8%は「自分または配偶者の育児休業を延長し、子どもの世話をすることにした」、8.8%は「祖父母・親戚に預ってもらうことにした」と答えた。自由回答では、子どもを職場に同伴したり、一時保育サービスを利用したりと、様々な対処法がみられた。

子育て支援の重要課題について、妊娠・出産・子育てに関連する18項目の中から3項目を選んでもらったところ、他と大差をつけての1位は「保育所を増設して、待機児童の解消」(59.2%)。2位は「出産にかかる費用の無償化・負担の軽減」(38.3%)、3位は「幼稚園・保育所の保育料の無償化」(30.9%)と、出産・保育に関する経済的な負担を減らす施策が挙げられた。4位は「学童保育の整備・拡充」(23.7%)で、上位4位が昨年と同じ順位となった。