帝国データバンクは30日、2009年度(2009年4月期~2010年3月期)の営業収益(=売上高)が判明した、営業収益1億円以上の貸金業者117社を対象(一部推定値含む)に、営業収益総額の推移、営業収益・前期比較、損益状況を調査・分析した結果を公表した。

これによると、主要117社の2009年度の営業収益総額は、前年度比22.7%(3,176億900万円)の1兆815億5,000万円にとどまった。減少率は2期連続して20%を超え、2年前に比べ38.4%(6,729億4,100万円)落ち込んだ。

帝国データバンクでは、「大手、中小を問わず、2010年6月の改正貸金業法の完全施行を前に、新規貸し出しの抑制や審査基準の厳格化の動きが広がり、貸付金利息収入が大幅に減少した」と説明している。

営業収益上位10社をみると、10社すべてが2期連続で前年度を下回った。直近2期の営業収益の比較が可能な102社をみると、2009年度の「減収」が85社(構成比83.3%)にのぼり、全体の8割超の企業が、前年度の営業収益を下回った。

一方損益面では、リストラ効果や貸出基準の厳格化に伴う焦げ付き減少などが寄与し、7割が黒字を確保した。

帝国データバンクでは、今後の見通しについて、「改正貸金業法の完全施行の影響もあり、市場縮小の流れは今後さらに加速するおそれもある」と分析。「大手各社の中には海外進出や保証業務への注力などで収益改善を模索する動きも一部でみられるが、新たな収益の柱となるまでには相応の時間を要するだろう」とした上で、「ここ数年の相次ぐ過払金返還請求を受けて体力勝負の様相を呈するなか、大手・中堅各社では親会社にあたる銀行の意向を受けた合従連衡の動きが今後も予想される」としている。